S-BEATとは、トンネル工事における切羽前方探査システムのことで、清水建設によって開発された。原理的には、反射性弾性波探査(油圧ブレーカーによる掘削振動/直接波から岩盤性状の変化点で反射した振動/反射波を側壁に打設されたロックボルト頭部で受信すること)を利用して、反射波の到来方向/伝播距離をトータルで評価することで、切羽前方(50~100m)の地山の3次元分布をモニタリングするもので、トンネル掘削作業の安全性/効率性確保と、ひいては生産性向上ならびに、従来型の(確実な探査に必要とされる高額な)ボーリング調査に依存しないコスト削減に寄与するものとされる。尚、S-BEATのシステムはセンサー(ロックボルト頭部)/データロガー(データ記録/保管)/パソコン(解析ソフト)で構成されるが、工事の中断なくデータ取得が可能とされる。ちなみに、S-BEATは(ボーリング調査等の)詳細調査が必要とされる劣化部以外に、(切羽進行に応じて継続的に)実施/適用することで予測精度/施工性の向上が見込めるものである。