TN-Monitorとは、大成建設によって開発された切羽前方地盤の直接監視システムのことで、2つの計測器(SAA/T-REX)を掘削方向と並行に差し込むことで変位量を計測し、技術者/作業員で共有するものである。SAAは地盤の上下方向の沈下分布を、T-REXは切羽からトンネル内に押し出される変位量を計測するもので、周辺地盤の挙動を全方位で直接計測するものである。尚、切羽到達前の地盤位置/規模の把握と共に、計測データに基づいた補強ボルトの仕様決定により、掘削時の安全性の向上に寄与するものとされる。ちなみに、都市部のトンネル工事に際しては地中構造物への掘削による影響を考慮しなくてはならないとされるが、TN-Monitorは従来型の変位計測後の挙動予測に比べ、高精度に常時監視できるものとしてクリアされており、地質構造が複雑なケースでも適用が期待される。