先日のモルタルのお湯割りの話でメールをいただきました。「グラウトはどうなのか?」と。
経験的に言うと、セメントミルクもアリだと思います。とくに極寒の場所での施工では。

練り混ぜ水50℃でシミュレーション
シミュレーション条件
- セメント:1,230kg(比熱:0.20kcal/kg・℃)
- 練り混ぜ水:615kg(比熱:1.00kcal/kg・℃、温度:50℃)
- 混和剤:24.6kg(比熱:1.00kcal/kg・℃、温度:外気温と同一)

土木学会・日本建築学会の算定式。寒中コンクリートの施工指針などで示される標準的な式です。コンクリートの場合は「粗骨材」や「細骨材」が含まれますが、今回はセメントミルクのため、それを簡略化した形です。前回のモルタルは細骨材入れてます。
| 外気温度 (∘C) | セメント温度 (∘C) | 水の温度 (∘C) | 練り混ぜ後温度 (∘C) |
| -5.0 | -5.0 | 50.0 | 33.2 |
| -2.5 | -2.5 | 50.0 | 34.0 |
| 0.0 | 0.0 | 50.0 | 34.7 |
| 2.5 | 2.5 | 50.0 | 35.5 |
| 5.0 | 5.0 | 50.0 | 36.3 |
あくまでも机上の計算ですが、こんな感じですね。

※縦軸:練り上がり温度、横軸:外気温
結論として、練り混ぜ温度が高すぎる!
やはり練り混ぜ水が多いので温度上がる傾向ですね。骨材が入るとかなり下がるんですけどね。
練り上がり温度の基準
国土交通省(共通仕様書)・コンクリート標準示方書(施工編)
打込み時のコンクリート温度5℃以上 35℃以下
地盤工学会等のグラウンドアンカー工や鉄筋挿入工においての練り上がり温度の基準の明示はありません。
そのため、土木学会コンクリート標準示方書および寒中コンクリートの考え方を使うとすれば、
練上がりおよび施工時温度は5℃以上を確保
を基準としてイイと思います。
ただし、35℃を越えると暑中コンクリートとなるため、それ以下にするべきでしょう。
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練り混ぜ水30℃でシュミレーション
シミュレーション条件
- セメント: 1,230kg(比熱:0.20kcal/kg・℃)
- 練り混ぜ水:615kg(比熱:1.00kcal/kg・℃、温度:30℃)
- 混和剤: 24.6kg(比熱:1.00kcal/kg・℃、温度:外気温と同一)
| 外気温度 (∘C) | セメント温度 (∘C) | 水の温度 (∘C) | 練り混ぜ後温度 (∘C) |
| -5.0 | -5.0 | 30.0 | 19.3 |
| -2.5 | -2.5 | 30.0 | 20.1 |
| 0.0 | 0.0 | 30.0 | 20.8 |
| 2.5 | 2.5 | 30.0 | 21.6 |
| 5.0 | 5.0 | 30.0 | 22.4 |
※縦軸:練り上がり温度 横軸:外気温
練り混ぜ水 30℃ 40℃ 50℃の比較グラフです。
どの温度帯が良いのか?
施工性や品質を考えると、セメントミルクに関して言えば、練り混ぜ水を30℃にして施工が良いと思われます。
40℃でも問題はないと思いますが、実際問題、あまり温度高いとミキサーの中で固まり出します。夏場の暑中コンクリート状態になるので良くないです。
そして、水中ポンプやその他ゴム系パッキンに影響が出る可能性が十分あるので、セメントミルクに関しては30℃くらいが良いと思われます。
そして、注入距離が100m程度あっても、温度低下ロスを考えても30℃くらいがベストでしょうか。
| 外気・セメント温度 | 水温 30℃ の時 | 水温 40℃ の時 | 水温 50℃ の時 |
| -5 ℃ | 19.3 ℃ | 26.3 ℃ | 33.2 ℃ |
| -4 ℃ | 19.6 ℃ | 26.6 ℃ | 33.5 ℃ |
| -3 ℃ | 19.9 ℃ | 26.9 ℃ | 33.8 ℃ |
| -2 ℃ | 20.2 ℃ | 27.2 ℃ | 34.1 ℃ |
| -1 ℃ | 20.5 ℃ | 27.5 ℃ | 34.4 ℃ |
| 0 ℃ | 20.8 ℃ | 27.8 ℃ | 34.7 ℃ |
| 1 ℃ | 21.1 ℃ | 28.1 ℃ | 35.0 ℃ |
| 2 ℃ | 21.4 ℃ | 28.4 ℃ | 35.3 ℃ |
| 3 ℃ | 21.8 ℃ | 28.7 ℃ | 35.6 ℃ |
| 4 ℃ | 22.1 ℃ | 29.0 ℃ | 35.9 ℃ |
| 5 ℃ | 22.4 ℃ | 29.3 ℃ | 36.3 ℃ |
打設完了時に5℃を下回らなければ問題ないので大丈夫です。
ちなみに、練り上がり温度が高すぎると強度低下に繋がるので、確実に30℃以下としたほうが良いです!
とくに冬期においては強度が出にくくなるので、お湯割りは今後必須になるのか?って思います。
※この記事は、『新エンタの法面管理塾』の記事を再編集したものです。





