飼育水の水処理システムとは、大成建設/長岡技術科学大学によって共同開発された閉鎖循環式システムのことで、原理的には、有害な窒素成分を微生物(脱窒菌)による脱窒技術で無害化した後、飼育水槽に戻すリニューアル技術のことで、廃棄する海水量/ランニングコストの大幅削減に寄与するものである。尚、飼育水において生物の排泄物/餌に由来する分解物が蓄積した窒素成分の中で、(アンモニア態窒素はともかく)亜硝酸態窒素/硝酸態窒素に対しては処理が困難とされるため、従来型では飼育水量の5~10%の海水を廃棄し、同量の海水を補給することで有害成分を希釈ならびに水質保持していたため、天然/人工海水の製造/運搬のコスト/環境負荷が懸案となっていたことが当該脱窒システムの開発経緯として挙げられる。ちなみに、亜硝酸態窒素/硝酸態窒素が通過した際に、(無害な)窒素ガスに変換される微生物(脱窒菌)が付着した脱窒槽(飼育水槽の容量1%)には、高い脱窒性能と(飼育水槽の)長期の安定性が確認されており、ひいては大幅なコスト削減に寄与するものとされ、既存(大型)水族館のみならず陸上養殖施設/大深度地下水汚染対策への導入拡大が期待される。
飼育水の水処理システム
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