支保工足場の足場板が地面にめり込む
さて結果はどうなったか?
それから数日後、コンクリート打設の日を迎えた。私の頭の中は、型枠大工さんの忠告にビクビクして気が気でなかった。「頼むから重大な事故にならないように!」と神様に祈るばかりだった。
そして、徐々に打ち込まれていくコンクリートは、柱・壁を2~3回まわり、梁の打設が始まると少しずつ支保工にも荷重が掛かってくる。その度に型枠大工さんも、パイプサポート使用して、レベルを見ながら調整する。
最終的に、コンクリート打設は全て終わったが、支保工足場は崩壊せず、大事故につながる最悪の事態は免れた。
しかし、土木の型枠大工さんから一言。
「やっぱ足場全体が沈下したわ、出来ることはしたけど、梁が下がってしまった部分や断面もできた」
支保工足場の足元をみると、なんと足場板が2cmほど地面にめり込んだ形跡。
私はそれを見て「支保工に掛かる荷重で、足場自体が沈下することってあるんだ」とギョッとすると共に、改めてコンクリートの荷重の大きさを知ることになった。
結果的に技術者としては「学び」にはなったが、時すでに遅しである。しかし、階高が高かったため、地上から見ても梁のレベルが気になることはなかったのが、不幸中の幸いだった。
・・・そして今でも私は、まだ経験したことがない業務を任される事がたくさんある。その際の教訓となっているのが、この現場で学んだ「とにかく分からないことは恥ずかしくても聞く」「職人さんの忠告には耳を傾ける」ということである。現場監督としては当然の事である。
ただ、それでも失敗することは今でもたくさんあるのだ。建築の現場は、まだまだ奥が深い。
勉強になります。
技術面でも、コミュニケーションの面でも。
施工管理一級の勉強をしていますが、仕上げの職人は経験してきましたが、躯体については、見てはいますが、さっぱり分かりません。
本を読んでもチンプンカンプンです。
こうした失敗談は、初心者には非常に勉強になります。
感謝いたします。