質問力のある職長が優秀
私が考える優秀な職長は、「想像力のある職長」よりも、質問力のある職長である。
現場監督がどのように工程を進めたいと考えているかは監督によって違うし、職長には見えていない工程は結構ある。職長というのは、あくまでも専門工事業種の長であって、建築士でも施工管理技士でもないからだ。
なので、想像力を働かせた職長に勝手な段取りをされるよりは、工程どおりの段取りをしてくれるほうがまだマシである。来て欲しい日に現場に来てくれない職長は最悪である。想像力のある職長が優秀であるとは言えない。
現場監督の相談に乗ってくれる職長
そして、この記事では「自組の職人の能力を理解する」ことが、優秀な職長の条件だと書かれているが、勘違いも甚だしい。
仕上がりや仕事の速さ、周りへの気遣いなどを見ていたら、職人の能力なんて誰でも分かる。ぺーぺーの若い衆でも分かる。やらなければいけない仕事が決まっていたら、そんな職人の配置は誰でもできる。
それよりも大事なのは臨機応変の対応力だ。
現場は生き物で、困ったことがよく起こる。そういった現場監督が困っている時に相談に乗ってくれて、臨機応変に対応してくれる職長のほうがよっぽど良い。
そんな時に急遽、手の遅い職人さんでも残業してくれたり、理解力のイマイチな職人さんでも丁寧に説明して納められるようにしてくれたり…。
ただ単純に人を配置するだけの能力では語れない、その時の状況に合わせて柔軟に対応できる能力のある職長が、良い職長だ。
整理整頓ができる職長
家族を大事にするかどうかは、たしかに確認した方が良い。が、そういう「家族を大事にしてます!」的なことを前面に出す人は自己中心的な人物も多い。家族を大事にするなんて当たり前のことだ。
そんなことよりも、良い職長の条件を3つにまとめるとするならば、上記の通り「質問力のある職長」「臨機応変で相談に乗ってくれる職長」、そして、整理整頓ができている専門工事業種の職人が良い職長だろう。
整理整頓は現場の基本だが、実際の現場では、その整理整頓の出来栄えに差が出るものだ。
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