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安藤ハザマの土木技術者3名が語る「シールド工事の醍醐味」とは?

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公開日:2019.02.27 / 最終更新日:2025.03.14
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安藤ハザマは良いモノをつくって当たり前

――土木技術者として心がけていることは?

荒東 「初めてだから、わかりません」という姿勢は絶対とらないようにしています。知ったかぶるわけではありませんが、初めてのことに対しても、常に積極的な態度で臨むという意味です。それと、知らないことは、恥ずかしがらず、謙虚になって、人に聞くようにしています。

あとは、「もう限界だ」と思ってからが、自分の成長になると考えて、仕事をするようにしています。「限界」は今の自分の能力で定めたものなので、「限界を超えたところにこそ、自分の成長がある」ということです。しんどいときは、自分にそう言い聞かせながら、仕事をしています。

――「限界」というのはどの部分?

荒東 能力的な部分ですね。今の自分の能力、キャパシティを超えようとするのが成長につながるということです。

――そういう気づきを得るきっかけがあったのですか。

荒東 神戸市の大容量送水管工事のときです。着工当時にそう思いました。「今の現場は自分の能力を超えているんじゃないか」と思ったことがありました。

でも、それでもやらざるを得ない状況だったので。初めてのケーソン工事があったり、それと並行してシールド計画があったりする中で、「ちょっとキツイな」という時期がありましたね。

――佐藤さんは?

佐藤 私は最終的に発注者からの評価点というのが気になります。「最低80点以上」というノルマがあるので。品質や安全については、会社として普通にやれば、ほぼパーフェクトにできるのですが、地元対策は相手があることなので、非常に難しい面があります。いろいろな人がいるので、ニーズに合わせた取り組みをしないといけません。私が数多くの現場を経験して来た中で、一番重きを置いてきたことです。

福岡県発注の別のシールド工事をやったときは、89点という点数をいただきました。福岡市発注のまた別のシールド工事は84点でしたので、今の現場でも「80点以上とりたい」という思いで、ずっとやってきています。地元対策をしっかりやれば、それができるというのが私の持論です。

具体的には、「騒音やら振動、粉塵などを出さないように」ということを作業員などには徹底してきました。それでも苦情は出るのですが、その対応を誤らないよう気をつけています。ちょっとしたボタンの掛け違いが苦情につながることがあります。発注者の方も課長さんぐらいになると、品質のことは言わないんです。地元からの苦情がないことが一番で、苦情がなければ点数をくれるところがあります。

――点数を取るには、良いモノをつくるだけではダメ?

佐藤 良いモノをつくるのは当たり前なんです。安藤ハザマの基準でモノをつくっていけば、施工管理上特別なことをしなくても、良いモノはできるので、ある程度の点数はもらえます。ただ、地元対応は必ずしも「これをやっておけば良い」というものがあるわけではないので。

――永末さんは?

永末 現場では、作業員さんの気持ちになって考えることを心がけています。指示を出す際、作業員さんにとってわかりやすいように、言葉を選んで、伝えるようにしていました。仕事の上でまだ大きな困難を経験していないので、座右の銘みたいなものはありません。

川崎市の最初の現場には何人かの女性の先輩がいました。その先輩からは「体力的にムリしないように」とアドバイスをいただきました。男性と比べると、やはり体力差があるので、そこでムリをするとうまくいかないということです。ムリしてツブれてしまったら、元も子もありません。

ゼネコンなどに入社する女性の多くは、「土木の仕事をやりたい」「男の人との能力の差などない」「絶対に辞めたくない」と思って入社しています。私を含め、そういう女性は「どうせ結婚したらやめるんでしょ?」などと言われるのが、イヤなんです。だから、ムリしてでも頑張ろうとする。それはダメだよという意味なんです。私自身も、女性として仕事を続けていくために必要なことだと思っています。「自分らしく」働きたいと考えています。

体力的にはムリしない、能力的には精一杯やる

――現場監督として心がけていることは?

荒東 やはり、周りとのコミュニケーションですね。あとは、リーダーシップをとって、方向性を示すことです。みんなに対して方向づけをしないと、現場がバラバラになってしまうので。現場全員ではないですが、少人数でちょこちょこ飲みに行って、個人的な悩みなどを聞いたりもしています。

――佐藤さんは?

佐藤 私もコミュニケーションが大事だと思います。同じ現場でも世代が違う人間が10人集まると、全部の意見をまとめるのが難しいところがあります。その場合は、2〜3人のグループごとに話をまとめるとか工夫が必要になります。最近は「飲みニケーション」も難しいところがありますね。

――永末さんは?

永末 監理技術者経験はありませんが、現場で心がけていることは「精一杯やること」です。まだうまくできないことが多い中で、私にできることはそれだと。

――ムリせず、精一杯やる?

永末 「ムリせず」は、心がけであって、前提なんです。言い方が難しんですけど、例えば、「私なんでもやります」と言って、体を壊したら、周りに迷惑がかかります。「ムリしない」は体力的なことなんです。能力的には「精一杯やる」んです。体力と能力は違うものです。「ムリしない」と聞くと、ヤル気がないみたいですが、そういうことではありません。

現場で打ち合わせする3人

――永末さんとのコミュニケーションはうまくいっていますか?

荒東 大丈夫ですよ(笑)。客観的に見てどうかはわかりませんが、彼女とは遠慮せずに話ができるので、主観的にはうまくいっていると思っています。

永末 私もうまくいっていると思います。他の現場にいる同期の話を聞くと、この現場は恵まれていると感じます。同期の中には、現場所長とソリが合わず、辞めたコもいるので。

安藤ハザマの同期、新人研修

――同期とは今でもツナがっていますか?

永末 そうですね。

――同期は何人?

永末 同期は30人いたのですが、3年経って10人辞めました。ただ、私の1コ下、2コ下はほとんど辞めていないようです。

――なぜ?

永末 2コ下から新入社員の研修がかなり充実したからかもしれません。半年間つくばの研修センターで研修があり、同期みんなで一緒に過ごすようになっているんです。私が入社した際も研修はあったのですが、形態が違っていました。後輩に聞くと、お互い分かり合える同期同士で、いろいろ相談し合っているそうなんです。

――永末さんのときの研修は合宿がなかった?

永末 長期研修はあったのですが、一度それぞれ現場に出た後、集まるカタチでした。研修自体、まだまだ実験段階でしたね。みんな現場に出て、それなりに何かを経験してきているので、合宿を通じて「みんなと仲良くなろう」という意識がなかったんですよね。逆に、同期同士の競争心が芽生えてしまったところがあります。

ですが、当社は3年次の終わりにも2週間の研修があり、そこでは新入社員研修のときと比べものにならないくらい、絆が深まりました。今では同期のことが大好きです。

――若手の悩みって?

永末 「仕事にどう慣れていくか」が大きな悩みだと思います。上の世代の人に相談しても、「頑張って乗り越えてきた人たち」なので、厳しく叱咤激励されるのはわかってるんです(笑)。同期同士だと、「私の現場はこうだけど、こうやって乗り越えたよ」みたいなフラットな感じで話せるので、相談しやすいんです。

――「今の若者はコミュニケーションがとりづらい」という意見についてどう思う?

永末 コミュニケーションがとりづらいのは、私たちの世代だけのことではないと個人的には思っています。今、私たちの世代に対して言われているのと同じような状況は、上の世代の方々が若かった頃にもあったと思いますよ。世代が違うと、コミュニケーションがとれないのは、当たり前のことなので。

私が「この人について行こう」「この人の話を聞こう」と思うのは、指示が的確で、「この人スゴイ」と思ったときなんです。雑談をしたりすることは大事ですが、きちんと向き合うということはそういう表面上のコミュニケーションだけで成立することではないと思っています。

荒東 言っていることの半分はわかるような気がします。「上司先輩に対して、尊敬や敬意を抱くこととコミュニケーションをとることは、同じではない」と思っているんだなと(笑)。

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この記事を書いた人

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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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