施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

「ドボジョ」というくくりはもう古い? 名古屋市の女性技術者が語る公務員の魅力とは?

  • インタビュー
  • キャリアを考える
公開日:2020.02.18 / 最終更新日:2022.08.16
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有

「お前のその考えは間違っている!」「そんなことない!」

大石(施工の神様ライター)

仕事でツラかったことはありますか?

天野さん

先輩によって、仕事のやり方が違うことですね。以前に教わったやり方と違うやり方を言われることがあるので、戸惑ってしまうことがあります。

鈴村さん

ツライことはたくさんあるんですけど、自分の勉強不足でうまく対応できないときがツライです。本庁が設計して、土木事務所が工事監督をするパターンがあるのですが、ある工事で私が監督員をしたとき、自分で設計しないので、工事のうわべしか理解していませんでいた。ちょっとしたトラブルが起こったのですが、その処理をすべて本庁任せにしてしまったんです。

本来であれば、私が対応すべきトラブルだったのに、できなかったのが、ツラかったというか、反省している点です。そのときは、当時の上司から「クリアすべき基準は何だったのか」と問われ、即答できなかったんですが、その後は、背景や基準などをちゃんと意識して仕事するよう心がけています。

尾崎さん

3つ目の職場のときに、チームの中で、年齢が一番上になったんです。それまでは先輩に相談して仕事をクリアしていたのですが、いざ自分でやらなかんとなると、カラ回りしちゃったんです。私はアセットマネジメントのプランを立てる担当だったのですが、他のメンバーを巻き込むこともできず、どこに向かって良いかも見失ってしまいました。

ちょうど子どもを産んだばっかりで、仕事ができる時間にも制約がかかっていたころでした。私は不器用で考え込まないと物事を進められないタイプですし、自分の中で理想と現実をうまく消化できなくて、「わからない!」という感じになったのが、一番ツラかったですね。

大石(施工の神様ライター)

上司に相談しなかったんですか?

尾崎さん

上司も迷っていたと思います。担当者である私がエンジンで、上司がハンドルを切るイメージで、まずエンジンである私が、ハンドルを切るための材料を提供しないといけないのに、それが十分でないので、上司がその上の上司にレクしても方向が見えてこないのだと思っていました。私が上司に相談しても、こういくべきという方向性が見せられないからだと。

大石(施工の神様ライター)

仕事で泣いたことはありますか?

尾崎さん

あります。それは最初の職場でしたけど。酒の席で、上司と激論になって、いつも泣かされていたことはあります。「お前のその考えは間違っている!」、「そんなことない!」みたいなヤツです。今思えば、面白かったですけどね(笑)。

鈴村さん

その場で泣くとよけいに悔しいので、泣かないですけど、後で泣いたことはありますね。ある職場で、「なぜこうなのか」「他に考え方はないのか」ということについて、スゴく根をつめて考えなければならないときがあったのですが、結果的に、上司の要求に応えられなかったんです。

それが何度も続いて、抱えきれなくなって、「これ本当に必要なことなの?」と考え始めちゃったんです。ツラくて、帰りの電車で泣いちゃいました。当時はツラかったですけど、今は、必要な経験だったなと考えています。

天野さん

電話対応がうまくできなくて、悔しくて泣いちゃったことはあります。上司と意見が合わなくて、トイレで泣いたこともあります。そういうときは、女性の先輩に相談をしています。相談すると、心が軽くなります。昔の友達と話をして、ストレスを解消することもあります(笑)。

大石(施工の神様ライター)

中学の友達に仕事の話をすると、どんな反応?

天野さん

「すごいね〜」とは言われますけど、「私にはムリ」という感じの反応ですね。

「ドボジョ」というくくりは、もう古い

大石(施工の神様ライター)

いわゆる「ドボジョあるある」みたいなことはありますか?

天野さん

公務員の土木職は、現場で工事監督しているだけなので、「ドボジョ」とひとくくりにされると、施工業者の女性の方に申し訳ない部分はありますが、例えば、夜間工事の監督はちょっと不安を感じることはあります。でも、それは男も女も同じなので、「仕事を任されたんだから、頑張ろう」という気持ちで乗り切ることにしています。

電話に出たときに「男の人に変わって」と言われることはたまにありますが、基本的には周りの皆さんから可愛がってもらっています。上司の方とは、「自分の娘と同い年だ」ということで、話が弾むこともあります。

鈴村さん

台風などで職場待機するのは、私はもう慣れましたが、友達に話すと、「女性なのにそんなことしなきゃいけないの?」と言われます。そういわれることに、逆にビックリします(笑)。あとは、「土掘ってるの?」と聞かれたり、「建築?」と勘違いされることはありますね。

尾崎さん

私はそもそも「自分がドボジョだ」という認識がないですね。現場施工している方々と技術系公務員は仕事の中身がだいぶ違うので。その上で、土木業界の男性と女性の違いを考えてみても、とくに違いはないと思います。「女子だから」と言うより、「若くて、経験不足だから」いろいろ取り沙汰されるんじゃないかなと思います。自分が年をとってきて、だんだんわかってきました(笑)。

日焼けについても、私はあまり気にしなかったのですが、最近の若い子は、女子らしく、ちゃんと日焼け止めなどをして、働いています。今は、女子が女子らしく普通に働けるようになっているので、それはスゴく良いなと思います。

名古屋市役所でも、ここ数年女性の土木技師が増えています。今の女子はみんなカワイイですね。私が若いころは、男ばっかりの職場の数名女子がいる程度でしたが、研修で大勢集まると、女子がいても、パッと見、気づかない。男の世界に溶け込んじゃって(笑)。最近は、女子の比率が増えて、華やかです。「これ本当に土木の研修?」という感じがあります。ファッションなんかもその辺の女子大生と変わらない子が普通に座っているんです。

私からすると、技術系公務員という世界で言えば、「ドボジョ」というくくりは、もう古いと感じています。昔は女子の数が少なかったので、甘やかされてきたところがありましたので、女子が増えてくると、私的にはツラくなるかもしれませんが(笑)。

人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!

「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、

こちらからお気軽にお問い合わせください。

«123
  • この記事をシェアする125
  • この記事をツイートする5
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
「モノをつくる」より「地元要望を断る」スキルが大事? 福岡県ドボジョが語る公務員技術者のリアル
「モノをつくる」より「地元要望を断る」スキルが大事? 福岡県ドボジョが語る公務員技術者のリアル
九州最大の福岡県ドボジョにインタビュー 福岡県は、約510万人の人口を擁する九州最大の県で、鉄道、高速道路などの社会インフラが集積する九州経済の中心地だ。福岡市や北九州市といった都会部を抱える一方、海や山など多くの自然も...
「都庁よりも横浜市役所」「横浜市以外はスベり止め」 “ハマのドボジョ”が地元愛をさけぶ
「都庁よりも横浜市役所」「横浜市以外はスベり止め」 “ハマのドボジョ”が地元愛をさけぶ
ハマのドボジョは「ヨコハマLOVE」なのか? 横浜市と言えば、国内最大の基礎自治体であり、大都市のイメージ。だが、東京に比べ、地元意識が強いことでも知られる。いわゆる「ヨコハマLOVE」な人間が多いらしい。 あるとき、「...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...
記念すべき第1号の”首都高ドボジョ” 「道路をつくる人は、社会から一生必要とされる」
記念すべき第1号の”首都高ドボジョ” 「道路をつくる人は、社会から一生必要とされる」
「首都高ドボジョ」が語る仕事のやりがいとは? 首都高速道路株式会社(東京都千代田区)は、その名の通り首都高速道路の建設、維持管理を行う会社だ。前身は旧首都高速道路公団で、2005年に株式会社化されたが、政府や東京都などの...
女子高生の「土木ポエム」が金賞!「今日も明日も測量します」「気泡は言うことを聞きません」
女子高生の「土木ポエム」が金賞!「今日も明日も測量します」「気泡は言うことを聞きません」
サイエンスコンクール金賞は"ドボジョの卵" 「昨日も今日も測量します 明日も明後日も測量します」 こう詠うのは、熊本県立天草工業高校で土木を学ぶ2年生の中本璃音さん。2018年、旺文社が開催した「第62回全国学芸サイエン...
「海があって、山があって、まちがある」 土木の魅力が詰まったインフラのまち・神戸で、”まちづくりのゼネラリスト”になる
「海があって、山があって、まちがある」 土木の魅力が詰まったインフラのまち・神戸で、”まちづくりのゼネラリスト”になる
土木の魅力が詰まった「インフラのまち・神戸」 神戸市は、海を埋め立て、六甲山を切り開いてできたまちだ。おしゃれな港町のイメージがあるが、高速道路や新幹線などの国土軸も通るインフラのまちでもある。 1995年1月の阪神・淡...

この記事を書いた人

四国の犬
この著者の他の記事を見る
基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
「ドボジョ」というくくりはもう古い? 名古屋市の女性技術者が語る公務員の魅力とは? 「ドボジョ」というくくりはもう古い? 名古屋市の女性技術者が語る公務員の魅力とは?

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 「ドボジョ」というくくりはもう古い? 名古屋市の女性技術者が語る公務員の魅力とは?
  • 施工の神様
  • キャリアを考える
  • 「ドボジョ」というくくりはもう古い? 名古屋市の女性技術者が語る公務員の魅力とは?

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様