自動施工で、生産性向上や習熟期間の短縮を実現
不動テトラとソイルテクニカは、深層混合処理工法であるCI-CMC工法に対応する、自動打設システム「GeoPilot-AutoPile」(ジオパイロット・オートパイル)を開発した。大型地盤改良機では初めてとなる。
これまでは、施工中にオペレーターが管理計器を監視しながら、レバーやボタン、スイッチなど全ての操作を行っていたが、新たに開発したシステムは、コントロールユニットからの制御が可能だ。
操作の簡素化により、オペレーターの作業負担が軽減。手戻り作業が無くなることで生産性の向上が見込めるだけでなく、従来3年程度かかっていたオペレーターの習熟期間も約3分の1まで短縮できる。
さらに、若手オペレーターの育成だけでなく、海外現地オペレーターの活躍も期待できる。
操縦席でプラントの状況把握や操作が可能
新たに開発した「GeoPilot-AutoPile」システムは、撹拌軸の貫入・引抜速度、セメントスラリーの吐出量など、適切な値になるようにコントロールユニットが施工機を制御する。
スラリープラントと施工機本体は、リモートユニットを介して無線で交信し、施工機本体のオペレーターが操縦席に座りながら、プラント状況の把握と操作を行うことができる。

GeoPilot-AutoPileのシステム構成 / 株式会社 不動テトラ(https://www.fudotetra.co.jp/news/20200616/)
土層ごとのスラリー添加量の切り替えや撹拌軸の昇降速度の管理の自動化だけでなく、これまでオペレーターが目視確認をしていた主巻ワイヤーの緩みは、張力を計測するロードセルを追加することで、コントロールユニットが判断できるようにした。
これにより、施工誤差やオペレーターの熟練度による差異が少なくなり、確実な品質の提供が可能となる。また、本体に取り付けた各種センサーで施工機の状態を監視し続けるため、必要に応じて、オペレーターへの注意喚起やコントロールユニットから制御を行うこともできるという。
施工状況は、オペレーションモニターにアニメーションで表示されるため、視覚的に把握しやすくなった。今後も、対応可能な工法の拡大に取り組んでいく。