「お客様は怖い」 私もそう思っていました
転職した後、私はすぐに気づいてしまいます。「全くお門違いな場所に来てしまった」と。今までの仕事の相手は建物そのものでしたが、これからの相手は施主という人間であり、必然的にコミュニケーション能力が問われる場所に来てしまったからです。
もともと世間話をすることさえも苦手意識のある口下手人間だったので、工事の説明や、不安を解消させ安心させるなどという経験もなければ、スキルも持ち合わせていません。しかし、この会社に転職した以上、前途多難な道を覚悟するしかありませんでした。
あれから十数年。今は、伸び伸びと現場監督をしています。お客様からのクレームもほぼ無いに等しいです。もっと言えば、仕事が楽しくて仕方がありません。あの困難な時代から、ようやく幕が開けたとさえ思います。今は人生に価値を感じ、生きがいを手にしているのです。
では、あの口下手人間だった私に一体どんな変化があり、どうして生きがいを感じるほど楽しく仕事をすることができるようになったのか経験をもとにお伝えします。
ハウスメーカーの現場監督に多い悩みとして、お客様からのクレームがあげられます。特に、若手の現場監督は心の内で「お客様は怖い」と思ってはいないでしょうか。私もそうだったのでよく分かります。お客様と接していると、知らず知らずのうちにお客様に対してこう思うようになります。「何かミスをすれば不満を言うし、時には大声で怒鳴るからなるべくなら会いたくない」と。
その思いが強くなってくると、今度は相手に怒られないことばかりに意識が集中していきます。でも、なぜかまたお客様からのクレームが発生し、さらに深みにはまっていくのです。これが「お客様は怖い」につながっていき、ますます悪循環を引き起こします。
以前は私もそうでしたが、今は違います。ある時期から、「お客様は怖くない」という考え方を理解することができるようになったからです。「家づくりがどんなに楽しいかを施主に教えてあげたい」と、そう思うようになったのは自邸を建てた頃でした。
毎日のように、仕事終わりには建設中の自邸を見に行きました。仕事中にいつも見ている他人の家と仕様は同じでも、感覚がまるで違いました。その時、自分の中で“家づくりに対する考え方”に変化があったことを今でも覚えています。
さらに、それは自分一人の考え方の変化だけではなく、周りにも影響するということも分かりました。それまで慢性的に抱えていたクレームが一気になくなり、仕事が順調に回り出したのです。「これだ!!」と稲妻が走りました。お客様を怖がるのではなく、家づくりの楽しさを教えてあげたいという気持ちがあれば、うまくいくということに気づいた瞬間でした。
何かゼネコンは悪で、ハウスメーカーはやりがいがあるって感じの書き方で、ゼネコンの若手が可哀想って印象になりかねない。
ゼネコンだろうが、ハウスメーカーだろうが、それぞれ仕事な楽しくなる時期が来ますよ。会社、上司次第ってとこはありますが。
自分は地場ゼネコンとか町場の工務店とか数社渡り歩いてたので言える事です。