建設業について中学生が知っていること
この講義をする際、冒頭に必ず、「建設業について知っていることは何ですか?」という質問をしている。それは、目の前の生徒がどの程度の知識を持っているかを把握してから講義を始めたいからである。
また、各生徒のキャラクターを大まかにつかむことができる。最初の5分程度をこれに充てており、これまで100人程度に同じ質問をしてきた。その結果をまとめると次の通りである。
- ダントツ1位 家に関する回答(家を作っている、家を設計している、大工など)
- 2位 肉体労働に関する回答(筋肉、ヘルメット、日焼け、危険など)
この2つが圧倒的シェアを占め、3位以下は細かいものが並ぶ。あえて乱暴に言うと、中学生の頭の中にある建設業とは、「家」と「肉体労働」なのだろうと私的には理解している。
「建設業=家、肉体労働」というイメージが圧倒的に強い
「建設業=家」という認識が強いことには正直驚いた、というか意外であった。そりゃそうだろうと思われる方が多いのだろうか?私の頭の中では、「家=ハウスメーカー、工務店、大工」のイメージが強く、いわゆる建設業とは割と広めの距離を感じているところである。
また、肉体労働系が上位になる理由を考えたところ、中学生が最も目にするのは、現場で働く筋肉たくましい職人なのだろうと思い腑に落ちた。特に、土木職人は屋外仕事が多いので、「建設業=土木の職人」という認識が強いのかも知れない。なお、中学生のほとんどは、それを「土木」とは認識していないし、そもそも土木という語彙を有していない。
土木職人は建設業内の確固とした一側面であるが、ご承知の通り、それに限らず、建設中の建物内に入れば多様な室内工事をしている職人が働いているし、監督は現場巡回したり現場小屋でパソコン仕事をしたりしているし、その工事を設計した設計士がいるしと、そこには別世界が存在する。もちろん、そんなところまで想像力を膨らますよう中学生に求めるのは無茶な要求である。
この背景には、建設業の安全管理があると考えている。安全管理の名のもとに仮囲いをパーフェクトにやってしまうと、外からは何も見えなくなる。見えるのは、昼休みにコンビニに集まる職人達であろう。建設業は安全を追求した結果、その仕事をベールに包むことにした。その結果として、建設業のイメージ=家、又は、土木の職人となっているのだと思う。
家もあるけど、建設業はそれだけじゃない!道路もあるよ、災害対策もあるよ!
これやりがちだよね
社会の役に立ってるアピールしたがるけど、大人相手ならまだしも子ども相手だと途端に遠い話になっちゃう
もちろんその教育も大事だけど、まずは家についてしっかり知ってもらうってのは間違いないと思う
「建設業は3Kだから人気が無い」などと言われることがあるが、実際には3Kというイメージさえ持っていない。
まさにそうです。土木技術者自身が土木をディスるのはもう聞き飽きましたね。
実務者です、自分の子供身内にはさせないな
底辺の土方 綺麗事は無い