仕事とプライベートが融合する「コモリワーク」とは?
――今回、リコーとの共同アイディアによるリノベーションマンションが完成しました。
岸本さん 現在、新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がっていますが、このプロジェクトはウイルスが拡大する以前から、テレワークで創造的な働き方を実現するための住まいの在り方を、リコーと共同で模索していたんです。
当社は住まい領域に、リコーは働く領域にそれぞれ強みを持ち、双方の強みを活かせば何かイノベーションが生まれるのではないかと考えたのがきっかけで、「仕事とプライベートが融(と)ける家」というコンセプトでプロジェクトがスタートしました。
当社とリコーのそれぞれテレワークしている社員にヒアリングをし、「家の中で仕事に集中する」ことと「仕事以外の空気に触れ、気分転換や着想を得る」ことができる住宅を、晴海と西早稲田の物件で実現しました。
――通常のリノベーションとの違いは?
岸本さん 家族との連続性を確保しつつ、自宅で創造的な仕事を生み出せる。そんな新たな価値の創出を目指した点です。テレワークでは、まず働くスイッチに切り替えることが必要です。さらに、家にいながらも仕事のアイディアを生み出せるような環境も必須です。そのためにはクローズな環境ではなく、家の雰囲気を感じながら働けるような環境でなければなりません。
今回の取材現場である「エド・コモン西早稲田」の物件では、家の中にこもれる空間をつくり、集中して作業できつつも、デスクから家族の様子や窓の外を眺められるよう工夫しています。このスペースを私たちは、「コモリワーク」と命名しました。
このスペースに入る際に、ステップを3段登ることで”仕事をする”というスイッチに切り替わり、右を向けば、キッチンの様子も分かります。また、掘りごたつのように足が伸ばせるため、仕事をする際もリラックスできる環境です。
ほかにも、超至近投影が可能なリコーの「超短焦点プロジェクター」(別売)を設置できるようにし、会社の様子や社員のプレゼンなどを投影することもできます。