1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 コンクリート「配合・施工・型枠側圧」
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策第7回目は、コンクリート「配合・施工・型枠側圧」についての勉強ポイントをまとめます!
コンクリートの配合に関する出題傾向
コンクリートの配合に関する1級土木施工管理技士の試験問題では、スランプ・単位水量・水セメント比に関する問題が多くみられます。
スランプ・単位水量・水セメント比はいずれも、できるだけ少なくすることが原則、正解!
-
単位水量
多くなると、材料分離が起こりやすく、乾燥収縮が大きくなるなど、品質低下につながるため、作業ができる範囲でできるだけ小さいものとする。
-
スランプ
コンクリートの流動性を表す数値で、配筋など施工条件を考慮し最も小さいものを定める。ただし、練上がり時のスランプは、コンクリートの運搬や時間経過に伴うスランプの低下を考慮する。
※スランプを大きくする場合 → コンクリート単位体積当たりの配筋量が多くなるほど大きくする。また、締固め作業を行う位置が高いほど大きくする。小さくするのが正解であることが多い中、この2つは例外なのでしっかり覚えておこう!
-
水セメント比
水とセメントの比率なので大きくなれば大きいほど水が多いということになります。水もセメントもコンクリートには不可欠なものであるが、極力水の量は品質上抑えたい、つまり水セメント比も性能上必要最低限を確保したうえで、最も小さい値とする。
-
空気量
空気量の変動はワーカビリティー、強度、耐久性に影響を与える。必要なものだが多すぎるとデメリットも発生する。空気量が多いほど乾燥収縮も大きくなり、強度も低下する。
コンクリートの運搬・打込み・締固めの勉強ポイント
コンクリートの運搬・打込み・締固めに関する試験問題でも、スランプに関する問題はよく出てきますが、上記のコンクリート配合と同じ注意点をおさえておけば解答できます。
スランプの次に、施工時の内部振動機(バイブレーター)の使用方法が非常によく出題されます。数値なども合わせて覚えていきましょう!
内部振動機(バイブレーター)の使用上の注意点と、コンクリート打設時の注意点
- 原則は内部振動機を使用、狭く締固めにくい箇所などでは型枠振動機などを用いる場合もある。
- なるべく垂直に挿入し、引き抜くときはゆっくり → 跡が残らないように素早くと記述されていると×。
- 挿入間隔は50cm以下、1箇所あたりの振動時間は5~15秒。
- 複数層で打ち上げる場合は1層40~50cmで、下層のコンクリートの中に10cm程度挿入し締め固める。
- 壁などの打ちあがり速度は30分につき1~1.5m。
- 振動機を使って、コンクリートを横流ししない。打設箇所ごとにポンプの吐出口を移動する!
- 柱とスラブが連続する部位では、連続して打設せず、必ず、柱の打ち終わりで一旦沈下が落ち着くまで時間をあけてから打ち継ぐ。コンクリートの厚さに違いがあると、沈下量の差があるため、段差ができてしまう。
- コンクリートの再振動は沈下ひび割れ、材料分離(ブリィーディング)を防ぐために行う。タイミングはコンクリートの凝結前でできるだけ遅い時間が良い。
- 仕上げ作業後、コンクリートが固まり始める前に発生したひび割れは、タンピング、または再仕上げによって修復を行う。
■コンクリートの輸送、運搬、打ち重ね時間の限度
練り混ぜから荷卸しまで | 練り混ぜから打ち込み終了まで | 打ち重ね時間 | |
外気温
25℃以上 |
1.5時間以内 | 1.5時間以内 | 2.0時間以内 |
外気温 25℃未満 |
2.0時間以内 | 2.5時間以内 |
コンクリートの型枠に作用する側圧が、どのような条件の時に大きくなるか小さくなるかが出題されます。型枠に作用するコンクリートの側圧
↓解答のポイントはここ!
コンクリートはやわらかい方が側圧は大きくなる、そして、もちろん重たい方が側圧は大きくなる。温度が高いほど効果が促進し硬くなる。
以上を理解していれば簡単に解答できます。
下のグラフで確認してみましょう。
下記の条件以外の他の条件が同じ場合で比較 | 型枠に作用する側圧 | |
大 | 小 | |
スランプ | 大きい | 小さい |
コンクリート温度 | 低い | 高い |
気温・季節 | 低い・冬 | 高い・夏 |
打込み速度 | 早い | 遅い |
コンクリートの流動性 | 高流動コンクリート | 普通コンクリート |
単位容積質量 | 大きい | 小さい |
コンクリートの圧縮強度 | 強度の大小は側圧に関係なし |
※コンクリートの圧縮強度の大小は側圧には関係ありません!ひっかけ問題に注意しましょう!
↓2017年度 1級土木施工管理技士試験の【合格講座】 総目次はこちら↓