サイディング職人の賃金は25年間上がっていない
――「サイディング職人の権利を守るべき」というのが仲本会長の持論ですが。
仲本 純さん 建設業界で職人不足がなぜ起こっているかと言えば、職人が圧迫されている状態が長く続いているからです。私がサイディング業界に入職した時と今では、職人の手間賃が下がっているんです。
これは自分の後継者を育成できる余裕がないことを意味しています。今は、職人の請負は経費込みの50万円ほどの仕事ですが、若い人が稼ごうと思って入職する業界ではありません。50万円と言うと大きな金額に見えますが、経費は10万円ほど見たほうがいい。すると、経費込みで50万円の仕事なら、生活費ですべて消えて貯金する余裕はほとんどなくなります。
つまり、今の職人不足は請負単価が低すぎるのが一番の問題です。今、我々のような専門工事業者の倒産や廃業が相次いでいるので、職人を支える余裕もありません。職人の社員化を進めようとしても、元請けから法定福利費がもらえないことも課題です。公共工事では設計労務単価が大幅にアップされましたが、民間工事には波及していません。特に、我々のような戸建て住宅工事をメインにしている業界には、まったく行政のメスが入っていないんです。
バブル崩壊以降、デフレになり、消費者に安く住宅を提供するトレンドが続き、我々も職人も仕方なくそれに付いてきた状態です。職人の高齢化は20年前から予測できたことでもあり、何の対策が取られていません。根本的な話をすれば、今は住宅自体が安すぎる印象です。デフレ下で予算は削られていく一方で、高品質な仕上がりを要求されている。職人はこの二重苦で悩んでいます。
――職人の賃金が上がらないことは問題ですね。
仲本 純さん 私は25歳で独立しましたが、それ以降、値上げを経験していません。たとえば、戦後復興や高度成長時代は、建設業界全体が盛り上がって職人の給料も上がっていったのですが、今、サイディング業界が値上げをしますといえば、仕事がなくなるだけです。
でも、仕入れの材料費は上がっているんですよ。職人が不足しているのだから、職人の賃金や請負単価は上がるべきです。職人の賃金が上がらないメカニズムが理解できません。
私は最終的には消費者に負担してもらうしかないと思っています。職人は消費者でもあるという観点をもっと照らしてほしいんです。消費者が豊かにならない限り、家を購入することも難しくなるんです。
サイディング施工会社の大廃業時代、用途拡大で生き残りへ
――見切りをつけて廃業、倒産の道を選ぶ業者も多い?
仲本 純さん 先月も、私の仲間の会社が辞めました。今、職人の年齢層はおおよそ50~60代が多い。職人や経営者の高齢化とともに、会社を畳む選択する人も多いですし、特にこのコロナショックでより事業継続が難しくなっている。サイディング業界の休廃業、解散・倒産はこれからも増えるでしょう。
私は、「このままの状態を後の世代に引き継がせてよいのか」と強く思っています。多くの若者が入職せず、不足した分は技能実習生に頼っている。現状のままで未来はあるのかと、深い懸念を抱いています。
少なくとも、サイディング業界はこれからも繁栄すべきであり、そのためには何らかのアクションは必要です。自分に白羽の矢が立ったのであれば、その責任を担いたいと、会長を引き受けたわけです。
――サイディング業界の最近の動向は?
仲本 純さん 窯業系サイディングは木造住宅向けの製品ですが、少子高齢化による市場縮小が到来しているため、サイディングの用途拡大を考えています。中小建築や商業施設への採用が進めば、サイディングの出荷量も維持でき、今まで通りの事業が継続できます。
つまり、お客さんが「町場」限定だったところを「野丁場」にも広げる動きです。これまでハウスメーカー、パワービルダーがメインでしたが、地場ゼネコンにもユーザーを拡大し、戸建て住宅の市場縮小に対応して、生き残りをかけていきたいと考えています。
また、職人不足はこれからも続くでしょうから、サイディングのプレカット化にシフトしていくと考えています。プレカット化が進展すれば、施工の生産性は向上します。実際、私の知り合いの会社でも商売としてサイディングのプレカットを行い、施工会社に供給しているところもあります。
――サイディング施工技術の継承については?
仲本 純さん 建設職人の教育機関である(一社)クラフツメンスクールを設立しました。現場の親方は教えるプロではないので、「あれやこれをもって来い」「終わったら掃除しろ」という言葉が現場で飛び交います。これでは若い人も萎えてしまいますよ。
しかし、この学校でのサイディングに関する授業では、10日間の合宿を通して、材料や道具の名前を教えるほか、研修棟で裸の家に外装材を張るところまでを行います。そのため、「材料・道具の名前、一連の作業工程」も理解でき、”一人前の見習い”になれるんです。
プレカットしてくるなら専門の職人いらないでしょう?大工でも貼れる。細分化が必要なところ?
私は東日本の田舎のとある場所で、所謂地方ゼネコンで働く立場です
このサイトで色々言われることには少々違和感がある出来事があります
この記事に関していえば、サイディング職人、って概念です
私は今までサイディング職人と言える人に会ったことがありません
地元の大工さんは自分で貼る(又は応援の大工さんに)ことと聞きます
自分は木造住宅などであれば大工さんにやってもらうことも
でも大半は板金屋さんに、水切り~外壁~屋根工事とやってもらいます
都会では墨出し屋があるように、大型の物件等では必要、、なのかなあ?
(元請、又は型枠大工さんが墨出しするので墨出し屋なんて不要な地域?です)
何でもかんでも専門とするのは悪く言えば使い勝手の悪い人ですよね
地元のとある板金屋さん、暇があれば小さな現場ならシーリングまでやってくれますけど、サイディング貼り含めてそれなりに綺麗です
(本業?の板金仕事はもちろん!立派です)
まあ、サイディング貼りの単価が低い!単価を上げるべきだ!って
話だけに着目すれば大賛成の話ですが、切り出しがサイディング職人、だとなんだかなあ
コメント失礼致します。
私はサイディング職人として30年建設業に携わってますが、確かに昔は大工さんが張ってる所が多かったですが、近年は専業化しております。30年位前は不具合の事例が少なく、知識なく張られてました。例えば透湿シートのたるみや、やぶれ、通気の確保、シール目地の厚みや、幅 釘の打つ場所や、補修の仕方、等、過去の事例から改善されて来てます。知識のない方が施工されると、劣化も早く、シールも切れやすくクレームの元になります。NYG日本窯業系協会の有資格者をおすすめ致します。
私どもの取引先ゼネコン様にも提出してます。