“セメントを固めた板”を取り扱うことが夢だった人はいない
――仲本会長はどのように経緯でサイディング業界に?
仲本 純さん 小学校の頃からずっと音楽をやっていたのですが、バンド仲間がみんな進学したこともあり、20歳の頃に挫折しました。バーテンダーなどもやりましたが、夜の仕事も長続きできないとも思い、その後、バックパッカーとなり、4カ月ほどインドに旅に出たりしていましたね。
帰国後、当時バブルではありましたが、なかなかバイト先の面接も受からかったのですが、そんな私を受け入れてくれたのがサイディング業界だったんです。1995年にはガイズカンパニー株式会社を設立して、代表取締役を務めています。
――なぜ、サイディング業界だったのでしょうか。
仲本 純さん 私もそうでしたが、サイディング業界を選択した人は、みなさん偶然だったんではないでしょうか。私は1986年にこの業界に入りましたが、当時、大卒の初任給は14万4000円ほどでした。詳しく調べてはいないですが、最低賃金は500~600円ほどで、700円であればいいほうだったでしょう。体を使う仕事は最初から日給で7,000~8,000円ほどもらえますから、賃金は魅力がありましたね。
賃金と偶然の要素でサイディングの仕事に就きましたが、それまで建設業界は選択肢にはなく、アルバイト関連雑誌でも建設業の項目は開いていませんでした。
――バブルの時は、割のいい仕事でしたよね。
仲本 純さん 仕事を覚えると、手間請負という仕組みがあり、親方から少し日給を抜かれても、月換算に直すと50万円ほど入ってきます。初任給14万円の時代ですから、まあまあリッチですよね。だから当時、サイディング職人になろうという志よりも、お金目当ての入職者が多かったと思います。
私はサイディング業界、メーカー・問屋関係者の集まりでお話する機会が多いのですが、その席で「子どものとき、”セメントを固めた板”を取り扱うことが夢だった方はいますか?」と問いかけます。まれに父親がサイディングの仕事をしていたから、2代目として引き継いだ事例はありますが、この外壁材を取り扱いたい、普及したいと少年のころから夢を持った人はほぼ皆無だと思います。
私はサイディング業を礼賛すべき立場ですが、こういった本音を話していかないと信頼や共感は得られないと思い、あえてこういったことも公の場でお話ししています。
サイディングは日本の風土に合った外装材
――サイディング業界の社会的な役割をどうお考えですか?
仲本 純さん サイディングは日本の風土に合致した外装材です。たとえば、日本は高温多湿で温度変化が激しい気候風土で、しかも都心部では住宅が密集しています。
江戸時代は火災がしばしば発生したことから、瓦屋根として、外壁は木だったものをモルタルで防火しました。しかし、その結果、室内と室外の温度差が激しくなり、家が腐っていく現象が起こりました。昭和に入ってからもこの腐る家が立ち並びました。
そのうち、サイディングが出始めた頃に、木造住宅の外壁工法として、外装材の裏側に通気層を設ける「通気構法」が開発され、長寿命の家が安く担保されるようになりました。
サイディングは家に化粧を施す役割を担っています。サイディングがなければ家は丸裸の状態です。サイディングは服に例えられますが、施工職人は服を綺麗に着せる役割を担っているんです。
――サイディングの仕事の魅力はどこにある?
仲本 純さん やはり、自分たちの仕事がいつまでも残ることにあります。建設業界全般に言えますが、自分たちの仕事が人の命、生活や財産を守ることに直結していますし、特にサイディングはその努力が実ります。
最後にこれから来る未来のことに触れたいと思います。職人さんの不足が深刻化しているということは、これから職人さんを目指す若い人たちにとっては大きなチャンスが待っているということです。私たち全国連合会としても、夢を持った若い人たちを支援し、もっと素晴らしい業界創りを目指し、これからも努力を惜しみません。
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プレカットしてくるなら専門の職人いらないでしょう?大工でも貼れる。細分化が必要なところ?
私は東日本の田舎のとある場所で、所謂地方ゼネコンで働く立場です
このサイトで色々言われることには少々違和感がある出来事があります
この記事に関していえば、サイディング職人、って概念です
私は今までサイディング職人と言える人に会ったことがありません
地元の大工さんは自分で貼る(又は応援の大工さんに)ことと聞きます
自分は木造住宅などであれば大工さんにやってもらうことも
でも大半は板金屋さんに、水切り~外壁~屋根工事とやってもらいます
都会では墨出し屋があるように、大型の物件等では必要、、なのかなあ?
(元請、又は型枠大工さんが墨出しするので墨出し屋なんて不要な地域?です)
何でもかんでも専門とするのは悪く言えば使い勝手の悪い人ですよね
地元のとある板金屋さん、暇があれば小さな現場ならシーリングまでやってくれますけど、サイディング貼り含めてそれなりに綺麗です
(本業?の板金仕事はもちろん!立派です)
まあ、サイディング貼りの単価が低い!単価を上げるべきだ!って
話だけに着目すれば大賛成の話ですが、切り出しがサイディング職人、だとなんだかなあ
コメント失礼致します。
私はサイディング職人として30年建設業に携わってますが、確かに昔は大工さんが張ってる所が多かったですが、近年は専業化しております。30年位前は不具合の事例が少なく、知識なく張られてました。例えば透湿シートのたるみや、やぶれ、通気の確保、シール目地の厚みや、幅 釘の打つ場所や、補修の仕方、等、過去の事例から改善されて来てます。知識のない方が施工されると、劣化も早く、シールも切れやすくクレームの元になります。NYG日本窯業系協会の有資格者をおすすめ致します。
私どもの取引先ゼネコン様にも提出してます。