相談の具体例①【相談相手:上司や同僚の場合】
相談は、必ずしも上司にするものではありません。業務を遂行するうえで相談すべき状況が発生した際、適材適所の相手を把握することが効率のよい仕事に繋がります。では、リノベーションデザイナーとして発生する相談例をみていきましょう。
状況例
解体工事後に近隣要望で土曜日の工事ができなくなり、想定している工程よりも作業が遅れている。どうしたら工事期間内に納めることができるのか検討したい。
相談例
近隣から騒音クレームがあり、土曜日工事ができなった影響で木工事の進捗が想定よりも1週間遅れています。塗装工事の期間は、土曜日の作業許可を交渉する他に短縮する手立てを工務店と検討していますが、過去案件で同じような事態になったことはありますか?どのように対処していたのでしょうか?
POINT:検討主体
- 簡潔に状況を説明し、その状況が起こった背景(または要因)を伝える
- 検討している対策を挙げ、問題がないか確認する
- 検討した結果、対策が挙げられない場合は、どこまで考えて行き詰っているかを伝える
- 回答しやすいような質問の仕方をする(過去対応策を聞く等)
※相談を具体化することで、内容を端的に深く確認できる。
相談の具体例②【相談相手:お客様(お施主様)の場合】
状況例(解体後、計画した内容に変更が生ずるとき)
躯体現し箇所が、GL撤去痕やクロスはがし痕で想定していた躯体状況と異なっていたため、仕上げを変更したいか確認したい。
相談例
躯体の印象はいかがですか?躯体のリアルな姿を見せられることはリノベーションならではの味ですが、キレイめでスッキリとしたお部屋にするには、ふかし壁をつくることができます。その他に躯体面に白塗装をすると荒々しさが軽減されて、躯体の表情を残しながらも明るくクリーンな印象になります。どちらがお好みでしょうか?
POINT:提案主体
- どうすればいいか?何がお好みか?をただ伺うのではなく、長所・短所や一般的な視点を交えた提案、解決策の選択肢を提示して相談する
- 予算の厳しいお客様には、変更による費用の増減をお伝えする
- お客様の判断基準となる優先順位をおさえておく(優先順位が機能性や意匠性、予算重視か等)
振り返ってみれば当たり前のことですが、同じ「相談」でも、相手によって検討主体か提案主体かなど相談の仕方が変わります。相手と自分との関係性を考え、相談内容に対し誰に相談することが最適か、当たりをつけられるようにしましょう。
「ホウレンソウの相談」まとめ
それでは、最後に今回のまとめです。
- 相談は、自主性が伝わる確認である
- 一人で抱え込まず、相談相手に配慮して分かりやすく説明する
- 相談の主旨を整理して確認事項を明確化し、誰に相談すべきか当たりをつける
質の高い相談ができるようになると、周りの人との情報交換が盛んになり成果を上げやすくなります。裏を返せば、周りの人とのコミュニケーションが盛んになると、相談しやすくなるとも言えます。
相談することに苦手意識がある人は、日頃の挨拶や現場などでのちょっとした雑談からはじめてみましょう。