1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 施工管理法その3「施工計画(建設機械の組み合わせ・各種機械の特徴)」
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策の第29回目は、施工管理法その3「施工計画(建設機械の組み合わせ・各種機械の特徴)」です。
今回は施工計画の中でも、建設機械の組み合わせ(作業能力)と各種機械の特徴についての学習ポイントをまとめます。
建設機械の施工計画
建設機械の施工計画でのポイントは「建設機械の組み合わせ(作業能力)」、「各種機械の特徴」です。
建設機械の組み合わせ(作業能力)
- 機械を組み合わせる場合は、主作業(重要な作業)の機械能力を最大限に発揮するために、従作業の機械の施工能力は主作業と同等あるいは幾分上回るように設定します。これは、従作業の遅れにより、主作業の作業効率を落とさないためです。
- 複数の建設機械を組み合わせて作業を行う場合のトータルの作業能力は、時間当たりの最小作業量で算出します。
【作業の組み合わせ例】
機械1 【掘削】 |
ブルドーザー 50㎥/h 1時間で50㎥の土砂を掘削して集める能力がある。 |
機械2
【積み込み】 |
バックホウ 80㎥/h 集めた土を1時間あたり80㎥積み込むできる。 |
機械3 【運搬】 |
クローラーダンプ 100㎥/h 積み込まれた土砂を1時間当たり100㎥運搬できる。 |
上記のような3台の機械が1セットで作業を行う場合は、クローラーダンプがどれだけ沢山運搬できる能力があっても・バックホウに積み込み能力があっても、土を集積してくるブルドーザーの時間当たりの作業量50㎥しかなければ、50㎥が1時間当たりの最大運搬できる土量となります。
最大運搬できる1時間あたりの土量は最小作業量であるブルドーザーの1時間で50㎥がこの組み合わせにおける最大の仕事量となります。
なので、機械を組み合わせて計画する場合は、作業能力をバランスよくするのが効率の良い作業となります。
各種機械の特徴
【掘削機械の作業の種類と特徴】
バックホウ | 伐開除根・掘削・積み込み・敷均し(巻き出し) |
機械より低い位置の掘削に適している。 | |
ショベル | 掘削・積込み・敷均し(巻き出し) |
機械より高い位置の掘削に適している。 | |
ドラグライン | 掘削・積込み |
機械より低い位置の掘削に適している。遠心力を利用しバケットを遠くに放り投げて掘削するため掘削半径が大きい。軟弱地盤の掘削、砂利の採取に適し、硬い地盤には適さない。 | |
クラムシェル | 掘削・積込み |
ロープに吊り下げられたバケットを重力により落下させ土をつかみ取る機械。掘削力はバケットのタイプによって異なり重掘削も可能。 |
【敷均し機械の作業の種類と特徴】
ブルドーザー | 伐開除根・掘削・敷均し(巻き出し)・締固め・整地・運搬(押土) |
締固めも可。軟弱地盤では接地圧の小さい湿地用ブルドーザを用いる。 | |
モータグレーダー | 軽切削・敷均し(巻き出し)・整地 |
締固めは不可。舗装路盤工事の整地でよく用いられる建設機械である。 |
【転圧機械の適用土質と特徴】
タイヤローラ | 高含水比の粘性土・硬岩以外、幅広い土質に適用。 |
アスファルト舗装の仕上げにも使用される。バラスト(重り)を増やし、輪荷重を高くし締固め力を大きくする。また、タイヤの空気圧を調整し接地圧を土質に合わせて調整できる。 | |
ロードローラ | アスファルト混合物、路床の仕上げ |
一般的に使用されるローラのうちの一つで、ほぼ平らに締め固められた盛土面、アスファルト舗装で使用される。 | |
タンピングローラ | 土塊や岩塊、高含水比の粘性土に適用。 |
突起の付いたローラーで土塊や岩塊を破砕し締め固める。砂などの均一粒径の土には向かない。 | |
振動ローラ | 岩塊を含む幅広い土質に適用。高含水比の粘性土には適さない。 |
アスファルト舗装の1次・2次転圧で使用。振動させることで、小型でも大きな締固め効果を発揮する。 |
ランマとプレートも間違える。
1番さんが言ってるのよくある
埋め戻ししてるのに転圧機持ってきてと言ったらプレート持ってくる人結構いる。
造園業だからかな?
ウィキペディアの説明はかなり違いますが、どちらが正しいのでしょう。
ウィキペディアには、ランマは衝撃力、タンパは振動で締固めるとあるが、これは間違いと思われる。
国土交通省の積算基準には「タンパ及びランマ 質量60~80㎏」と「振動コンパクタ 機械質量 40~60㎏」とあり、
「タンパやランマ」で40㎏級の重量のものはないため、
「振動コンパクタ=プレート」であり
「プレート≠タンパ及びランマ」と推測する。
原動機消費燃量からみても間違いないと思われる。
国土交通省の共通仕様書の土工には、「狭隘部の土の締固めにはタンパ及びランマを使用すること。」とある。更には現場での指摘や検査などでも、プレートは転圧補助機とされている。
更には国土交通省や土木学会等の専門文献には、
衝撃力で締め固めるのが「タンパ及びランマ」
起振力で固めるのが「振動コンパクタ」
という旨の文言がもあり前述の裏付けとなる。
以上のことから「ランマとタンパ」は衝撃力で締固めるものであり、ウィキペディアが間違いと思われる。
ランマとプレートを間違える人も多いという意見もちらほら聞く。これは西日本、東日本等の地域性や職性があるのかもしれない。
なるほど、詳しいご説明ありがとうございます。
ランマとタンパについては、
例えばドイツの Wacker Neuson 社では、
60-4s, 4-cycle ram-type tamper という製品があったり
BS50-2 Two Cycle Vibratory rammer という製品もあり
いまいち統一されていません。
rammerの語源「ram」も、tamperの語源「tamp」も、どちらも「土等を突き固める」という意味で一緒なので、結局メーカーのネーミングの違いだけで、ランマもタンパも一緒なのでは?という気がしますが・・・