ミャンマー政府の8割は女性技術者
――ミャンマーではどのようなお仕事を?
藤井さん ヤンゴンの西200kmほどのところにパテインという都市があるのですが、JFEエンジは、現地建設省が発注施工するパテイン橋の工事の橋桁製作業務と架設計画の策定、SVの派遣業務を請け負っています。
私はSVの一員として現地へ足を運び、現地スタッフへの技術的な指導、架設計画の審議のほか、JFEエンジとしての現地工事の受注に向けて、いろいろと動いています。ミャンマーに駐在する日本人のスタッフは10名程度いますが、SVは私を含め3名ほどです。

ミャンマーのパテイン橋建設現場で打ち合わせする藤井さん
――日本人の女性スタッフは藤井さんだけですか?
藤井さん そうです。ただ、現地のエンジニアは8割が女性です。日本とはだいぶ事情が異なっています。ミャンマーでは、大学進学者は女性の割合が高く、エンジニアなどの職業の多くは女性です。
――お国柄ですねえ。現地スタッフとのコミュニケーションは英語ですか?
藤井さん そうですね。
――現地で新たに発見したことはありますか?
藤井さん ミャンマーには、若いエンジニアが多いんです。自分と同じくらいの年のエンジニアがリーダーとして、プロジェクトを引っ張っていたりします。そういう姿を見て、刺激を受けています。
――現地で大変なことはありますか?
藤井さん 自分の知識不足を痛感しています。私のメインの仕事は、現地スタッフへの指導なのですが、なにを教えて良いかわからないことがあります。日々勉強して、考えるようにしています。
他人だけでなく、自分にも優しい文化
――仕事の上での文化の違いを感じることは?
藤井さん それはスゴく感じます。細かく「これをやって」と指示をすれば、的確に実行してくれますが、次から自分で考えてやってもらいたいと思っているところも、指示がないと動かないときがあります。ミャンマーには他人に優しい文化がありますので、外国からのSVに気を遣いすぎているのかもしれません。
――日本と同じ施工管理をするよう指導しているのですか。
藤井さん 基本的には日本と同じように施工したいという思いはあるのですが、資材などが限られているので、現地だけでできるやり方も提案する必要があります。例えば、足場一つとっても、日本のモノはしっかりしていますが、お金もかかるので、同じモノをミャンマーで組むわけにはいきません。現地の資材を使いながら、しっかり安全管理できるやり方を指導しています。
――進捗はどんな感じですか?
藤井さん この年末に無事完成しました。

2020年末に完成したパテイン橋
――終わったらどうするのですか?
藤井さん 他の受注案件もあるので、そちらを担当することになると思います。私の基本的なミッションは、ミャンマーでの事業継続なので。JFEエンジでは、現地で橋梁以外にも港湾施設工事や補強土壁工事、レール溶接機の販売も実施しています。
女性技術者同士で協力していかないと
――JFEには後輩のドボジョも増えているようですが。
藤井さん 今の部署では、女性の技術者としては私の年次が一番上なのですが、社内の女性技術者同士で協力して、誰もが活躍できる場を整えていく必要があると思っています。女性技術者が自分の思いを通すためにも、悩みなどを共有できる環境をつくっていきたいと思って、努力しています。
それぞれの現場に出ていることが多いので、一箇所に集まる機会がなかなかありません。なんとか理由をつけて女性同士で集まるようにしたり、オンラインでやりとりしたり、定期的にそういう場を設けるようにしています。
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