2022年1月2日から、旧規格製品は使用不可に
2019年2月、労働安全衛生法の改正により、フルハーネス型安全帯の着用が原則義務化された。以降、現行規格の安全帯全般は、経過措置として2022年1月1日まで着用や使用が認められるが、1月2日以降は全面的に禁止される。
しかし、少しずつフルハーネスの導入が進んできたとはいえ、いまだ胴ベルト型安全帯のシェアは大きい。特に、昨年は新型コロナウイルスの影響もあり、フルハーネスの導入は”後回し”にされている感も否めない。だが、完全移行まで300日程度と既に猶予はなく、早急にフルハーネスを導入しなければ、1月2日以降、適切な現場の運用にも悪影響を及ぼすことも考え得る。
欧米を中心に、フルハーネス型安全帯の開発・販売で40年以上の実績があり、2017年から日本の安全帯市場へ参入した3M社(米国)の日本法人、スリーエム ジャパン株式会社の安全衛生製品事業部 事業部長の中西 亮太さんと、同事業部 マーケティング部 マネジャーの牛山 紘郎さんに、フルハーネスの選び方や適切な運用方法について聞いた。
目前に迫ったフルハーネスへの完全移行
――改めて、フルハーネス義務化の背景について教えてください。
中西さん 元々、墜落・転落事故が日本における労働災害の約4分の1を占めており、その傾向はあまり変わってきませんでした。
国としても墜落・転落事故を少しでも食い止めていくことを喫緊の課題とし、国際的な主流でもあるフルハーネスを日本の市場の中へ導入を進めていくために、2019年2月にフルハーネスの原則義務化が始まりました。旧規格の製品が使用できなくなるまでの猶予期間は2022年1月1日までとなっており、あと300日ほどに迫っております。
――法令改正以降、墜落・転落での死亡者数は右肩下がりで減少しています。フルハーネスの導入は進んでいるのでしょうか?
牛山さん 実数は把握しておりませんが、大手ゼネコンやハウスメーカーを中心に、フルハーネスに切り替わっている印象です。ただし、建設業界は非常に裾野が広く、中小企業や一人親方も非常に多いわけで、まだまだ導入・切り替えは進んでいないと認識しています。
というのも、「まだ完全移行まで時間があるから大丈夫じゃないか」という声も一部では聞いておりましたし、新型コロナウイルスの影響によって当初計画していた予算や経費の優先順位が変わり、フルハーネスの導入が後回しになってしまっている現状もあります。
とはいえ、今年が移行期間の最終年となるため、一気に導入が進んでいくものだと想定しています。
樹木の剪定の場合、下から登りながらの作業がありますが、この場合はどのような使い方がよいのですか?
木の周りに仮足場を設けての作業か、高所作業車を使用しても作業という形になりそうですね。
コスト面や実際の現場の状況に置き換えたら超非現実的ですが(笑)
ランヤードの運用マジで難しすぎる
フルハーネスはもう分かったから、これから国はロック機能付き巻取り式ランヤードを推奨したほうがいいんじゃないの?
この記事にも書いてあるけど勘違いしてる人多すぎてせっかく付けてるフルハーネスが意味なかったりするんだもん