カーナビの言語が理解できないほどの方向音痴
ここで、キズ補修とは全く関係ないのですが、致命的な方向音痴である私の失敗談をご紹介します(笑)。
私は、自他ともに納得する方向音痴です。毎日、現場にたどり着けるかどうかから、仕事は始まっています。たどり着けず、迎えに来てもらったことは星の数ほどあるので、なるべく早めに家を出るように心掛けていました。心掛けだけは立派だと自負しています。
キズ補修屋は道具が多いため、車で移動することが基本なのですが、カーナビの言っていることがよくわからず高速が降りられなかったり、入っていい道かどうかの判断が鈍すぎて、入ったはいいが出られない、といった状態になったりもしました。もちろん自力では出られず助けていただきました。
なので、先輩方と一緒の現場に入ったときは、いつも先導してもらって家に帰っていました。
ある時は、駐車場の入口が見つからず、どうにかこうにか現場に入ることができたのですが、現場に一緒に入った人が傍から見ていた話では、普通では考えられない高低差のある場所から、落下するように進入してきたそうです。幸い周囲に人はおらず、車は何かが外れた音がしましたが、無事でした。
たぶんもう運転しないほうが世のためなんじゃないかと思います。車もかわいそうです。ごめんなさい。
挙句の果てに、少し仮眠してから帰ろうと、駐車場で寝こけて気づいたら深夜。なぜかエンジンが動かず、迎えに来てもらうという迷惑をかけたこともありました。
“ひとすじの光” この瞬間が至福のひと時!
話がすごく脱線してしまいましたが、当時の私は、数々の失敗を繰り返しながらですが、カーナビの言葉も少しずつ理解できるようになったり、失敗することもあるけど成功する率が上がったりと、一歩ずつ成長を感じることができていました。
ですが、もちろんそんなポジティブな日ばかりではなく、毎日キズと向き合っていると、技術が上がったのか上がってないのか分からなくなったり、昨日できたことができなかったりした日には、逆に退化しているんじゃないかとモチベーションが下がってしまう時もありました。
そんな一進一退の日々を過ごしている中、この仕事を始めて半年から一年が経った頃でしょうか。ふとある感覚の変化が訪れました。
「あれ?このキズ、直せるな。」
前まで苦手意識があったキズに対して、自分の技術で立ち向かえると思える時が来たのです。
思い返してみると、この頃は、ようやく思い描いたような色が一発で出せたり、仕上がりに納得のいくものが増え、今まで以上に楽しくお仕事ができていた時期でした。
その自信からか、あまり得意ではなかった、玄関のカマチや階段の蹴込キズなどのキズ補修が抵抗なく作業でき、仕上がりも自分史上最高のできと思える実績も残せていました。
不意に訪れたその瞬間は、気持ちいいなんてものじゃないです。自分のレベルアップを実感できると、今までやってきたことが全てつながったような感覚になります。そのことはまさしくやりがいに直結していました。
全てが成長できていたような表現になってしまいましたが、太陽光が当たる場所など、光の加減で色味が変化しやすい場所は、いつまで経っても苦手なままでした(笑)。
仕事なので、もちろん楽しいことばかりではなかったですが、自分の人生において、価値観を変えるほどの大きな影響を与えてくれた「キズ補修」というお仕事に携われたことを、誇りに思います。
こんな失敗ばかりの私を、見守り育てていただいた御恩は一生忘れません。
私の場合は色んな人に支えてもらいながら成長することができましたが、一人で技術を身につけないといけない方、短期間で膨大な技術を身につけないといけない方など、それぞれに大変な状況があるかと思います。でも、経験はいつか必ず実を結ぶと私は信じています。
このお話を通して、当時の私のように、成長してるのかどうかわからなくなっている方が、一人でも頑張ろうと思っていただけるきっかけになれば、この上ない幸せです。
みなさんにも、たくさん失敗を重ねた結果、成長できた経験などはありますか?もしよろしければ、コメント欄にて教えていただけると嬉しいです。