現場監督としてのキャリアを考える
現場監督としてのキャリアを考えるうえで、ゼネコンやサブコンで働くことを選択肢に入れる人は多いのではないだろうか。にも関わらず、ゼネコンとサブコンの違いがよくわかっていない、という人も意外と多い。
今回は、この2つの違いを見ていくと同時に、どのような人がどちらに向いているのかをまとめてみた。これから現場監督の仕事にチャレンジしてみようと考えている方など、ぜひ参考にしてみてほしい。
ゼネコンとサブコンの違い
ゼネコンとサブコンの違いを説明しろと言われたとき、あなたは説明できるだろうか?イメージはついていても、言語化することはなかなか難しいように思う。
ゼネコンとは、工事全体を取りまとめる、総指揮官のようなポジションを務める建設業者のこと。つまり、様々な専門領域が混在する大規模工事において、工事の統括を行う責任重大なポジションと言える。
一方でサブコンは、専門領域が決まっており、その専門領域内での現場管理や、下請けの管理を行う建設業者のこと。例えば、電気設備工事などは、専門的ないわゆるサブコンの人間が間に入って管理業務を行うことが多い。
もっとシンプルに言えば、サブコンはゼネコンの下請けと考えてもらってよいだろう。
実際の現場では、サブコンのほうが激務
イメージでは、大きな責任のあるゼネコンのほうが激務で、きついイメージがあるかもしれない。しかし、私の知る限り、実際の現場ではサブコンのほうがかなり激務だと感じた。
理由としては、やはり下請けであるということが非常に大きい。元請けのゼネコンからの無理難題を押し付けられることは日常茶飯事である。
下請けの立場上、無理難題な作業を受け入れてしまうサブコンは多く、現場にいるサブコンの従業員は精神的にも、かなり厳しい状況に追い込まれることもある。
ゼネコン向き?サブコン向き?
私の書き方の問題もあるが、上記の話だと、どう考えてもゼネコンのほうが良さそうに思えてくるだろう。しかし、個人のスキルを磨いて自分で稼ぐことを考えると、サブコンのほうが有利に働くことがある。
それぞれ特徴を見ていこう。
まず、ゼネコンは、多くの組織を動かしていく仕事だ。すべての業者のトップという立ち位置につくため、当然、非常に大きな責任が伴う。様々な人とのコミュニケーションも頻繁に発生し、高いコミュニケーション能力が求められる。
プレッシャーに弱い人や、人に自分の意見をなかなか言えない人にとっては、非常に辛い環境になるだろう。工期の中で様々な人の意見を取りまとめ、プレッシャーを楽しめるような性格の人間は、待遇や社会的ポジションという観点から見ても、ゼネコンでのキャリア選択はアリだと思う。
一方、サブコンは下請けという性質上、無理難題を押し付けられ疲弊してしまう人も多い。しかし、専門性が高い分野での業務を行うため、いわばその分野のスペシャリストになれる。上記でも述べた通り、将来的に個人で稼ぐことに重きを置いているのならば、サブコンで専門性を磨くということは非常に意義があるだろう。
特に今の時代、建設業界で人材が不足している中で、専門性をもったスペシャリストはさらに不足している。大きな現場になればなるほど、専門性の高い人材が足りていないことから、スペシャリスト人材の人件費は上がってきている。
サブコンで腕を磨いて自ら営業ができれば、将来的に、ゼネコンで働くよりも個人で大きなお金を稼ぎ出すこともできるかもしれない。あくまでも、個人でのキャリアに重きを置く方は、サブコンで経験を積むのもアリだろう。
どちらのキャリアもそれぞれ一長一短で、どちらが良いとは断言できない。しかし、あなた自身が、建設業界でこれからどのようなポジションに就きたいのか、働くうえで何を重視するのかなどによって、キャリア選択は変わってくると思う。
自分の適性を踏まえて、自分自身でよく考え、経験を積む場所を見極めてほしい。
ゼネコンだろうがサブコンだろうがこの業界は忍耐力が必要不可欠。
サブコンに無理難題が発生するのは、別の工種のサブコンが事前に出してきていた工程表に対し、予定通りにいかなかったときが大概。
(予見できないトラブルは除く)
あとはゼネコンが変更協議をうまくできないか、住民系トラブル。
結局のところどちらも忍耐力とコミュニケーションが必須。
スーゼネでも無い限り、小規模ではゼネコン・サブコンどちらも給与に大差は無いので、責任レベルが低く、請負範囲が終われば、はけれる等々考慮すると、今は個人的にサブコンの方がいいと思っている。
ゼネコンだろうがサブコンだろうがこんな業界には絶対に入らない方が良い。