ケイアイスター不動産の女性現場監督
関東を中心に戸建て分譲住宅など不動産の仕入・設計・施工・販売・アフターまでを手掛けるケイアイスター不動産株式会社(本社:埼玉県本庄市、塙圭二代表取締役)は、コロナ禍でも7期連続で過去最高益を更新し続けるなど目覚ましい躍進を続ける注目の企業だ。
同社は女性活躍推進に力を入れている。2016年、同社では「不動産業界女性活躍No.1」を掲げ、女性が社内で活躍できる環境づくりを推進。経済産業省・令和2年度「新・ダイバーシティ経営企業100選」に初選出されたほか、同省と東京証券取引所からは「なでしこ銘柄」にも令和元年度から2年連続で選定されている。女性管理職の積極登用や女性現場監督向けの作業服導入など、各種取り組みが評価されたかたちだ。
同社での女性現場監督の働き方とはどのようなものだろうか。群馬県高崎エリアで分譲住宅の現場管理を務める片亀涼子主任は、保育士の前歴を持つ異色の現場監督だ。「住宅づくりにあこがれていた」「体力には自信がある」力強く語る片亀主任に、建築現場への志望動機や職場環境、現場の醍醐味などを聞いた。
女性が多い職場の人間関係に悩み、住宅業界へ
――これまでの来歴は?
片亀さん 大学卒業後、新卒で保育士として5年間、保育園に勤めていました。子供や保護者の方々に恵まれて仕事は非常に楽しかったのですが、女性が多い職場だったので人間関係など色々と悩むこともありました。
「このまま、ここにいてもな」という思いや「保育士は資格があればいつでもできる、やりたいことをやろう」という思いから転職を決意しました。ケイアイスター不動産には入社して、現在で6年目になります。
――かねてから建築業界が意識にあったのですか?
片亀さん そうですね。家づくりにあこがれていて、入社時も営業職ではなく、はじめから施工管理を希望して入社しました。
小さいころからモデルハウスや広告に載っている間取りを見るのが大好きで、保育士の次に興味があることとして「住宅業界」がありました。DIYも好きで、職人さんってかっこいいな」というあこがれも。
なにより、昔からマイホームにすごく夢があり、自分の夢を描いた家が造りたいな、という思いがあり、仕事を通じて、家づくりの知識が持てたらいいなと考えていました。
現場でも保育士の経験が生きている
――建築現場は、前職とは真逆の男性が多い職場だと思うのですが不安などはなかったですか?
片亀さん はじめは「怖いんじゃないか」とか「怒鳴られたらどうしよう」と思っていましたが、実際に現場に入ってみると皆さん優しくて、大きなギャップがありましたね。
汚い、きついなどネカティブなことをよく言われる業界ですが、私はもともと力には自信がありましたし、重いものを持ったりすることなどの作業はそれほど苦にはなりませんでした。
――全くの未経験というところには?
片亀さん 技術・知識がないというところにも不安がありましたが、それよりも「やってみたい」という好奇心がありました。採用時に面接していただいた社員からも「わからないことが当たり前だし、サポートするから大丈夫」と言われていたので、これからの仕事が楽しみだという思いがより大きかったです。
――実務としてはどのようなことを?
片亀さん 安全・品質管理のために現場整理や工程の段取り、部材の手配などや各工程での検査などを行っています。今は施工管理アプリが導入されて、送られてきた写真で現場を確認したり、テキストで連絡できるようになったので、だいぶ効率化されました。導入以前は「とりあえず現場来てくれ」なんてこともありましたが、今は無くなりましたね。

ケイアイスター不動産では施工管理アプリ「KIzuku PRO」を使って現場管理の効率化を実現。送付された写真での現場確認や資材の発注などがモバイル端末で行える。
そのほか、工事の周知など近隣住民の方々への対応も行います。コロナ禍なので、今はご案内状をポストへ投函していますが、工事中にどうしてもご迷惑をおかけしてしまうお宅には直接ご挨拶にお伺いするようにしています。住宅の引き渡し後にアフターフォローとして、お客様からご依頼があってお伺いするときもあります。「ここは、もうちょっと直せますか」といったような。そこで訪問したお宅のお子さんと一緒に遊んで、仲良くなったりもします(笑)。
――そういう場面で保育士だった経験が生きているんですね。
片亀さん そうですね。それから訪問するときが日中で、ご主人が不在だったりするときは奥様から「女性の監督なんですね。良かった」と安心感を持ってもらえることが結構あります。住まわれている方との触れ合いがあると「いい家を造らなきゃな」と身が引き締まる思いがしますね。
未経験でも女性でも、サポートしてくれる仲間がいる
――お仕事をするなかでやりがいを感じるときは?
片亀さん 大工さんの仕事を間近で見られることですね。造っている人の顔が見えると、ものに対する思い入れも違ってくるなと感じています。
現場を経験していく中で「人が行う作業だから、みんな完璧になんてできないな」という場面もあって、助け合ったり支え合いながら作業をしていくことが当然あります。私も忘れっぽいときがあり、段取りを間違えたまま工事を進めてしまって、上司や回りの先輩、職人の方々にフォローしてもらったこともありました。
そういった性格を加味していただいて職人さんから「大丈夫?これやった?」と逆に確認されるようなこともあります。そうやって気にかけてもらえることで「がんばろう」とやりがいにつながっています。

余暇にはスノーボードに打ち込み、特に長野県の野沢温泉村がお気に入りの場所だという。
――入社時と比べてお仕事の仕方は変わりましたか?
片亀さん 担当しているエリアはある程度固定されているので関わった職人さんとはその後もお仕事で顔を合わせることが多いのですが、関わり方が変わってきたなという印象があります。最初は「女だからって舐められてはいけない」と思い、緊張して身構えていたところがありました。
それから現場を経験していって、和気あいあいと仕事ができるようになりました。呼ばれ方も最初は「片亀さん」だったのが、今は「亀ちゃん、亀ちゃん」って呼ばれるようになり、アットホームな雰囲気です(笑)。
――これからやりたいことは?
片亀さん 女性の現場監督がもっと働きやすい仕組みづくりをしていきたいと思っており、上司と相談しています。
例えば、結婚後に妊娠すると現場に行くのが難しくなり、現場から離れてしまうことがあります。せっかくこれまで経験を積んできたのに、これは非常にもったいないです。
基本的に現場は一人で管理するもので、現場回りの他にも事務作業などやることがあります。それを分業制にしたり、現地に行かなくても現場管理ができるような仕組みができればなと考えています。これまでは一人で60棟を管理していたものを二人で120棟を見られるようにして、妊娠中の方が完全に社内で仕事を、もうひとりが現場を主に回るといったかたちですね。
――素晴らしい取り組みですね。最後に、ケイアイスター不動産への入社を検討されている方に何かコメントをお願いします!
片亀さん 未経験でも女性でもサポートしてくれる仲間や先輩たちがたくさんいます。物怖じせず挑戦してみてください!
※ケイアイスター不動産のHPは、コチラからご覧いただけます。
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