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社員にとって「相談できるおばちゃん」でありたい。河建・女副社長の会社に対する想いとは

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公開日:2021.07.30 / 最終更新日:2022.08.16
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「最新のICT機器を全部揃えろ」

――ICT施工に力を入れているようですね。

理恵さん もともとICT施工に興味はなかったのですが、これも災害によって考えが大きく変わったようなところがあります。毎年のように九州で災害が発生し、ウチとしても災害には泣かされてきました。

会社として、これからの時代は「次世代のチカラ」と「新しい技術」がないと厳しいと考えるようになりました。本当に「100年先どうなるか」ということを考えていたんです。そんなとき、ある従業員さんから「未来を見据えたプロジェクトを組んでみないか」という声が出たんです。

それで、「スタープロジェクト」というプロジェクトを立ち上げました。「自分たちはプロのスタープレーヤーになるんだ」という思いを込めています。このスタープロジェクトの柱がICT、新人の育成になっています。

――社長さんもなかなか頭の柔らかい方のようですね。

理恵さん そうなんです。ICTを始めるに当たって、社長は「ICT機器はとにかく最新のものを全部揃えろ」と言いました。「リースだと上達できない」からです。なので、スキャナー、システム、ソフト、建設機械にあと付けする機器など全部買いました。そして、「いつでも誰でも機器に触れる環境をつくれ」と言うので、そうしました。

河建が購入したドローン

河建が購入したドローン

最近は、ドローンも購入し、スキャナーと一緒に活用しようとしています。無人化施工にも動いています。全部自社でやっているのが、ウチの強みだと思っています。今は、工事成績を楽しく追いかけています。

HPもそうですが、新しいことにも積極的なので、自分たちとしてはスゴくやりやすいです。

――ICT導入に際して、どこのシステムが良いとか、比較したのですか?

理恵さん 販売のほか、教育までやってもらえる会社を探して、そこで全部揃えました。購入した年に3つの現場でICTを導入したのですが、現場で教育を含め、いろいろサポートしてもらいました。

ウチにはベテランのオペレーターさんもいて、最初はICT建機の導入に対して文句を言っていましたが、最近はICT付きの建機に乗りたがっています(笑)。丁張りを待たずに、自分でドンドン作業できるので、便利なんでしょうね。若いコがCADからデータを引っ張って、使えるようにして、おじちゃんが重機を操作しています。おじちゃんと若いコがお互いを尊重し合い、共存共栄が成り立っていますね。

――今後もさらにICT導入を進めていくお考えですか?

理恵さん そうですね。今はICT土工だけですが、橋梁補修や舗装工事などでもドンドン導入していきたいと考えています。以前、舗装の下地となる路盤づくりをマシンコントロールを付けたブルドーザーでやったときに、舗装屋さんから「舗装工事がスムーズにできた」と評価していただいたことがあるんです。

こういう仕事をもっとやっていこうということで、舗装の下地づくりに使える資機材を揃え始めているところです。今年1級建築施工管理技士に合格したので、土木も建築も、3Dを活用してどんどんやっていきたいなと思っています。

ICTを活かすため、女性を採用する

――採用担当もされているんですよね。

理恵さん そうです。河建ではずっと新卒は採っていなかったんです。今いる技術者を育てることと、実績をつけさせることという感じで、仕事を受注するための教育ばかりやっていました。4年前、ある普通科の高校の先生から「河建で新卒の求人はないですか?」と問い合わせがありました。これがきっかけで、地元の普通科高校、工業高校などに求人を出すようになったんです。求人を出したその年は応募はなかったのですが、翌年から応募があり、新卒を採るようになりました。

――HPづくりにもチカラを入れていますね。

理恵さん 「これって建設業のHPなの?」「これって何屋さん?」というぐらいのモノをつくりたいということで、4年ほど前にリニューアルしました。お醤油屋さんだったり、どこかのHPを参考にして、専門の業者さんに発注しました。

――女性技術者の採用は?

理恵さん 4年前に採用したコが新採では初めてのコでした。美優ちゃん(前原美優さん)が入る1年前ですね。体調の問題があって、辞めちゃって今はいなんですけど。このコは、自分で調べて応募してきたんです。

理恵さん(左)と女性技術者

理恵さん(左)と女性技術者

――会社として、女性の新卒を受け入れる態勢はすでに整っていたんですよね。

理恵さん そうですね。少なくとも「自分にとって働きやすい職場」にはなっていました。女性と男性とでは、感覚的にスゴく違うところがあるので、男性がどんなに気を配ってくれても、女性からすると、「そうじゃない」ということがあるんです。なので、女性社員が初めて現場に入るときは、必ず私が同行するようにしました。

ウチの社長は、とにかく女性社員を大事にしています。日射しが強くなったら、「日焼け止めを買って来い」と言ったり、少しでも帰社が遅くなったら、「いつまで働かせているんだ」と言ったりします。まるで自分の孫のように毎日気にかけているんです(笑)。

私としては、女性の採用とICTの活用をセットで考えていました。平成27年ごろ、ICT施工に必要な機器は、数千万円投資して、会社として一通り購入しました。「このICT機器を活かす。そのために女性を採用する」という考えでいたんです。

ただ、採用した女性に対して、土木の基礎の部分をどう教えるかが課題でした。美優ちゃんが入社したときに、年間の教育プログラムみたいなものを組んで、女性社員とやりとりしながら、わからない部分を教えていくというカタチでやってきました。

新採の中では、美優ちゃんが女性の年長なので、女性技術者のリーダー的なポジションを任せようと思っています。

――地域建設業全体で見ると、現場の女性はまだまだ少ないですが、なぜだと思いますか?

理恵さん やっぱりイメージだと思います。実際の仕事の内容をちゃんと見れば、女性でも全然できる仕事なのですが、いわゆる土木屋さんというイメージが先行しちゃっているので、「どういう仕事をしているの?」というところまでたどり着けないのだと思っています。

――これからも社員を増やしていくおつもりですか?

理恵さん そうですね。たくさんは採用できないですが、毎年2名ぐらいずつ採っていきたいと考えています。

私は息子世代への架け渡し

――家業を継ぐ考えはありますか?

理恵さん それはあまり考えてないですね。来年には、私の息子が河建に入社します。私が今やっていることは、あくまで息子たちの世代への架け渡しのためという感覚でいます。なにか背負い込んでいるものもないですし、あまりリスクを考えず、自分がやりたいこと、楽しいことをやってきましたし、これからもそうやっていくつもりですね。可能性を考えるのが好きなんです。社長とかは逆にリスクをしっかりと考えるタイプなので、議論するのが楽しいんです(笑)。

――いずれ息子さんが継ぐと?

理恵さん それは本人の選択次第だと思っています。普通の新入社員と同じ扱いをするので、本人がやりたいと言えば、続ければ良いし、そうでなければ好きにすれば良いという感じです。ムリ強いしても意味ないですから(笑)。

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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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