増え続ける「けんせつ小町」
男社会だった建設業界にも、ようやく女性の職人や現場監督、いわゆる「けんせつ小町」が多くなってきています。以前に比べると建設現場に女性が来ることも珍しくなくなり、それに合わせるように現場事務所の設備なども、女性向けのモノが揃ってきています。しかし、予算がなかったり、設置場所がなかったり、やはり男性しか想定していない建設現場が多いのも現状です。
そんな男性中心の建設現場で仕事をするけんせつ小町たちは、なんとか現場でも生きていけるようにと、けんせつ小町ならではの持ち物を用意していることが多いです。ハードな現場で頑張るけんせつ小町Aさんに、現場の小町必需品を聞いてみました。
けんせつ小町には大きすぎる男の「工具」
けんせつ小町Aさん「私は女性の中でも小柄なほうなのですが、男性ばかりの現場にいると、より自分を小人のように感じます。現場にも一応工具箱の中に工具を入れてはあるのですが、工具の持ち手や軍手が大きすぎたり、逆にお客さんのところに行ったときに使う室内用の脚立は小さすぎて届かなかったりするため、必ず自分用に用意して、別のところに置いてあります。私の道具を間違えて持っていった作業員に『ままごと道具持ってくるなよ!』とからかわれたりもします(笑)」
・・・確かに女性でも小柄な人には現場で使用するような工具は大きすぎ、重すぎかもしれません。今はDYIブームですから、女性でも扱えるようなサイズの工具が豊富にありますので、安全性を考えるとそれを使用するのは得策かもしれません。
けんせつ小町は小さな鏡で「日焼け止め」
けんせつ小町Aさん「夏場は特にですが、日焼け止めを必ずデスクやかばんの中に常備しています。現場に出ていると足場の中はメッシュや建物の日陰でどうにかなりますが、屋上や日当たりのいい場所では、上からは太陽がじりじりと照りつけ、下からは反射した光が…といった状況になります。
作業着が長袖長ズボンとはいえ、首や顔廻りは出ているので、天気のいい日は1日でそこだけ真っ黒になってしまうため、普通の夏服を着た時にパンダのようにならないためにも、日焼け止めはマメに塗るようにしています。現場では化粧をしないと割り切ってしまっている先輩もいますが、私は現場に出ていても女性らしさを大切にしていきたいと思っているので鏡なども忘れられません。」
・・・職人ではあまり見ませんが、確かに監督のけんせつ小町は日焼け止めを塗っている姿をよく見かけます。現場には基本的に洗面台はありませんので、小さな鏡で必死に塗る姿は男性から見ると少し滑稽ですが、女性らしさを忘れない態度も現場の雰囲気を柔らかくするのに一役買っているのかもしれません。