価格改定はユーザーに丁寧な説明を
――住宅用商品・エクステリア商品・ビル用商品の一部を2022年1月から順次、値上げしたが、工務店などユーザーの反応は。
山地副社長 値上げについては発表したばかりで、ビルダーやハウスメーカーのそれぞれの年契約などいろいろな問題があり、1社1社丁寧にご理解をいただき、改定価格を今後、浸透する活動をしっかりとやっていきたい。
また、報道によると我々の業界だけではなく、あらゆる建材業界が資材高となっており、このトレンドが浸透していけば、業界全体の底上げになりますし、流通店もこの動向に期待感がありますので前向きに取り組んでいきます。
――資材の価格と連動して製品の価格を下げるお考えは。
山地副社長 公表価格を下げることはこれまで経験はありません。ただ、競争もありますので、今後の情勢に応じることはあります。
また、一部ハウスメーカーとは、契約上、市場連動型の契約を行っているケースもあります。アルミ材に加えて、電力、石油、鉄などの諸資材も同時に上がっているので、全体のバランスを取りながら公表価格設定を図っております。これから材料は上がるトレンドが続くと予測しています。
堀社長 補足しますと、材料が上がった分、すべてを価格に転嫁しているわけではありません。日々、コストダウンを進め、価格についても様々な努力を行っております。
――エクステリア分野を強化する方針だが。
山地副社長 数字的には1000億円の売上高を狙っていきたい。特に代理店や、その先の販工店の開拓も含めて目標数値を達成したい。その際、庭周りのガーデンエクステリア部門では、ハードだけではなく、外構の提案を強化していきたい。
女性活躍で目標数値を設定した意図とは?
――資料では女性活躍推進で、管理職の数を2020年度の111名から2024年度には140名としておりますが、あえて数値目標を設定した意図は。
堀社長 もし本当に人事がまったく男女差別がなければ、女性のみに数値目標を設定する必要がありません。
やはり従来からの慣習で、当社が分析しても高齢男性者の管理職比率が高いという結果になっています。ここは是正すべき点であるからこそ、数値目標を設定しました。
少し古い体質があり、男性中心・年功序列が残っているため、いびつな比率になっているのが実情です。
――木製内窓は、断熱性能の高い木製の窓を取り入れられる点やデザイン性、質感などの面から、今後さらにニーズが高まると思いますが。
魚津取締役 木製内窓は、2021年7月より国産木材利用の活性化と開口部の高断熱化を促進するため、全国各地で木材の加工や販売を行う木材・木建具事業者と連携し、木製内窓の普及促進をサポートする取り組みを開始しています。今のところ10社ほどの会社が手を挙げており、話を進めております。
この取り組みの先行事例として、岐阜県・岐阜市の後藤木材株式会社が自社の技術を活かした木製内窓を開発・商品化するほか、鳥取県の会社で公営施設の断熱改修用途で商品化を検討しているところもございます。まず、手をあげていただければ、お互いの事業拡大のために進めていきたい。
――樹脂窓のリサイクルの方向性を示してください。
魚津取締役 樹脂窓は発売して、10年ほどですからリサイクルの対象になる商品があまり出ていません。
一方、製造では端材も含めて40%をリサイクルに使用していますが、これを2024年には目標として、製造部門と打ち合わせしていますが、70%までに向上したい。
――リサイクル分野については個社だけではなく、業界あげて取り組む課題であると思いますが、今後の意気込みをお願いします。
堀社長 私が理事長をつとめている一般社団法人日本サッシ協会は、東京大学のある先生と連携し、サッシのリサイクルをどうするかについてプロジェクトを立ち上げておりますので業界をあげて展開したい。今、企画を立ち上げステージの最初の部分に突入したところです。