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国交省のITS室長に聞いた!これまでのキャリア、仕事のやりがいや魅力とは?

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公開日:2022.03.24 / 最終更新日:2022.08.16
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「被災者に寄り添う」は言うは易し

――研究所の後は?

坂井さん 磐城国道事務所の所長として現場に出ました。2年間いました。行ったときは、東日本大震災から3年目で、震災復興も道半ばというタイミングでした。

自治体の首長さんなどと意見交換しながら、復興支援道路として位置づけられていていた相馬福島道路を整備したり、除染が終わっていなかった国道6号を完全開通させたりといった仕事をしました。大臣をはじめ、現地視察に来る方々が非常に多かったので、帰還困難区域に入って、いろいろご案内するということもやりました。

――「現場があると楽しい」というお話がありましたが、楽しかったですか?

坂井さん はい、楽しかったです。大変なことも多かったですけど。所長という立場だと、自分がやりたいことがある程度できるので。現場にはいろいろな課題があるものですが、いろいろな知恵を使い、それが地域のためになるのを目の当たりにできるのは、やはり非常におもしろかったです。

地元の方の中には、「東京から来た人間にはわかってもらえない」という方もいらっしゃいました。霞が関では良く「被災者に寄り添う」という言い方をしていましたが、実際に現地に来て、被災者の方々に寄り添うのは、非常に大変なことでした。「寄り添う」という言葉は良い言葉ですが、そう安易に使えないと感じました。東京から来たわれわれが実際にできることは、限られているからです。

結局、私にできたことと言えば、被災者の方々の話を聞くことだけでした。そういう関係をつくることこそが大切だったと思っています。例えば、帰還困難区域に入っているかどうかで、政府からもらえるお金の額が違うので、「あの家はたくさんもらっているのに、ウチはこれだけしかもらっていない」という不満を抱えている住民の方もいらっしゃいました。

被災者同士で対立軸ができているわけです。住民の方とお話する場合、相手の気持ちをちゃんと理解していないと、あいづち一つも難しい状況がありました。

東京大学の教員としてITSの研究開発に没頭

――その後は?

坂井さん また出向して、東京大学の生産技術研究所次世代モビリティ研究センターの准教授になりました。センターには国交省出向者のポストがあって、そのポストに就いて、ITSの研究開発をやっていました。3年ほどいて、技術に関するいろいろな論文を書いていました。

――また希望を出したのですか?

坂井さん 「ITSをやりたい」という希望は出していましたが、大学に行くとは思っていませんでした。大学は、自分でやらければならないことが多く、勝手が違うので、最初のころは面食らいました。講義もやりました。コマ数は少なかったのですが、大学院生の講義だったので、英語でやらなければならず、大変でした。

――研究室は?

坂井さん 研究室は自前の研究室をもらいましたが、実際は、交通の研究をしている大口先生の研究室と行動をともにしていました。

――試験監督なんかもされたのですか?

坂井さん 試験のときは海外出張していたので、残念ながら、担当したことはありません。ただ、教授総会には参加し、大学人事などにも関わりました。

――その次が現職ですか。

坂井さん 前々職です。その間に千葉国道事務所長をやりました。

大学教員はとにかく「自由」

――思い出に残っている仕事は?

坂井さん 東大の准教授時代ですね。自分がやりたいことをやれたので。やったらやった分だけ、自分の成果として積み上がるのも、長く組織の中にいる人間としては、非常に新鮮でしたし、おもしろかったです。

――自由でしたか?

坂井さん とにかく自由でした。「時間とお金さえあればなんでもやって良い」という感じで、なんの制約もありませんでした。逆に、なにを研究するかを見つけるのが大変でした。

とくに1年目は、お金もデータも持ち合わせていなかったので、そこをどうするかには苦労しました。いろいろな人に出会って、仲間をつくっていくことにしました。大学生活では、人とのつながりが、一番大きかったと思っています。おかげで3年目には、仕事量が増えすぎて、忙しくて大変でしたけど(笑)。

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実現が難しい仕事を実現したときの達成感が魅力

――最後に、坂井さんにとって、国土交通省の仕事のやりがい、魅力はなんでしょうか?

坂井さん 国土交通省では、道路整備やまちづくりなど、非常に大きいものを対象として多くの人の協力を得ながら、長い期間かけてつくり上げていくところであり、その実現の難しさの反面、できたときの達成感が大きなものであることが、また、その対象は全国各地であることが、この仕事のやりがいではないかと思います。

その際には、地域や現場がどうであるかを適切に把握し、その地域や現場に応じた柔軟な判断や対応も求められますが、国土交通省では、全国に出先機関も持っており、現場の経験もできることは魅力的かと思います。現場での知識・経験を活かして、本省での良い政策立案へつなげていくことができるのも魅力的かと思います。

また、国土交通省には、本省や現場の出先機関だけでなく、研究機関もあり、その他にも、大学のポストだったり、海外赴任のポストもあったりと、多彩な経験ができることも魅力ではないかと思います。

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