仮設の構造計算は外注ですか?
自分の手で足場や型枠の構造計算をした経験はありますか?
もちろん、計算ソフトを使用した構造計算でも構いません。
もしかしたら、構造計算書なんてさっぱり分からないから、業者が作成してきた構造計算書をそのまま使っている人も多いかもしれません。
が、しかし、ぜひ一度は自分で構造計算することをオススメします。
支保工足場の構造計算と不安
これは私の構造計算にまつわる経験談です。
初めて支保工足場の計画をした時のことです。
事前の構造計算ではどう考えても「持つ」安全な計算でした。職人さんにも計画図面を渡し、計画通りに施工を進めてもらっていました。まさに「完璧」な構造計算でした。
しかし、どうしても私の不安は拭い切れませんでした。もし構造計算のどこかに間違いがあり支保工が崩壊でもしたら、スラブ上で作業している大勢の人がケガをしてしまう……そんな不安を抱きながら、実際のコンクリートの打設の日を迎えました。
階高は6メートル近くあったので、柱と壁を3回に分けて徐々に梁とスラブに近づいて来ました。梁のコンクリートを打ち終わっても支保工は健在でしたが、それでも私の不安は収まりません。
なぜなら、スラブをペコビームで受けていたからです。
つまり、これから打設の始まるスラブのコンクリートの荷重も梁の支保工が負担しなければなりません。ここまでは荷重に耐えて当然で勝負はこれから。バタバタと目まぐるしいコンクリート打設の業務をこなしていきます。
スラブのコンクリートの打設が始まっても、私の頭の中は「支保工」と「コンクリートの残りの数量計算」で頭がいっぱいでした。
仮設の構造計算と現場への愛着度の関係
結局、コンクリート打設は、あっという間に終了し、支保工も崩壊しませんでした。
一通り片付けなどを終わらせて、支保工足場を見に行きましたが、打設前に比べて特に変わった点はありません。変形もせずに組み立てたままの形を保っています。
コンクリートの硬化による発熱で支保工足場のある空間自体が「モワーッ」とした熱気に包まれているのが、実際のコンクリート打設を終了したことを物語っていて、私に成功を語りかけていました。
……その時のことを私は今でも良く覚えています。自分自身で計画することの大変さと喜びを経験したことで、その後の施工管理という仕事への思い入れはいっそう強くなっていきました。
現場に対する愛着が強まると、仕事が楽しくなります。そして施工管理技術も向上し、給与アップにもつながります。
ぜひ一度、自分で足場や型枠の構造計算をしてみてはいかがでしょうか?
もちろん、計算ソフトを使用した構造計算でも構いませんよ。