どこになにが埋まっているかわからないので、全然計画通りにいかない
――今のお仕事はどんな感じですか。
濱口さん 昨年4月から更新・建設局の日本橋工事事務所というところで、日本橋区間の地下化事業に携わっています。日本橋区間地下化事業は、日本橋川上に架かる都心環状線約1.8kmの区間を地下ルートとして整備し、既存の構造物を撤去する事業です。
地下化事業としては現在、地下埋設物移設工事のほか、江戸橋出入口、呉服橋出入口の撤去工事が進められているところです。地下埋設物移設工事とは、具体的には、トンネル掘削の支障となる下水道管を移設する工事です。
私は、この地下埋設物移設工事と本体工事に向けての調査工事を主に担当しています。陸上、河川上で、試掘、ボーリング、レーダー探査を行いながら、調査しています。調査場所は一般道がメインになるので、業務を進める上では、さまざまな関係機関、企業との協議が必要になってきます。また、日本橋地下化事業と連動して、周辺では再開発事業が進められているので、再開発事業者との調整も必要です。
――現在は本格工事に向けた準備段階といったところでしょうか。
濱口さん そうですね。前さばき工事です。トンネル掘削などの本体工事が始まるのは、数年後の予定です。当然ですが、前さばき工事にもタイムリミットがあります。本体工事のほか、再開発や東京メトロの工事などが控えているからです。われわれとしても、しっかり工程管理しながら、日々の仕事を頑張っているところです。ただ、計画通りにいかないことも多々ありました。その辺の対応は大変でした。
――たしかに大変そうですね。
濱口さん 地下埋設物工事においては、事前に地下にあるものを調査する必要があり、まず地下埋設物がどこに存在するかを記した台帳を提供してもらうのですが、試掘などの調査をしてみると、実際には台帳通りに埋まっていないことが結構あります。われわれがトンネル掘削しようと思っていたところに、埋設物が残っていたりすることもあります。
そのまま埋設物にぶつかりながら工事を進めることはできないので、そういった事象がちょくちょく発生するたびに、対応に追われています。「なかなか思い通りいかない」というのが、この1年間仕事をしてきた感想ですね。
「首都高の広報も以前と変わったな」
――首都高のYouTube動画に出演していますね。
濱口さん はい、1年前に日本橋工事事務所に異動してから、すぐのタイミングで出ました。計画編・工事編の2本が公開されていますが、そのうちの工事編に出演しています。
シナリオや伝え方なども自分たちである程度考えました。土木を知らない人が見てもわかるように、できるだけ平易な言い方にして、堅苦しくならないことを心がけました。再生回数を稼ぐ意味では、もっと「おもしろさに振る」のも選択肢の一つかもしれません。
以前の首都高は、他の高速道路事業者と比べると、ふだんからの広報が弱いと感じていたのですが、YouTubeでこういう動画をやるようになって、「首都高も変わったな」と思いました(笑)。
――反響はありましたか。
濱口さん 「YouTubeに出ている方ですよね」を声をかけられたことがありました。「ああいうのもっと出してくださいよ」と言っていただきました。最初は「私がやるのか」と思いましたけど、やって良かったと思っています。
――YouTuberとしての抱負は?
濱口さん ハードルとしては低いかもしれませんが、今よりは再生数を上げるということです(笑)。
首都高リニューアルプロジェクト~日本橋区間地下化事業vol.2(出入口撤去工事概要編)~ / YouTube(首都高速道路株式会社)
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