完璧に仕事をしたいと思っても叶わないジレンマ
見積部に入って間もない頃、上司に「100%完璧に積算・見積を取るのは、ほぼ不可能に近い」と言われたことがあった。当時はあまりピンと来ていなかったが、今なら分かる。
市場に出回っているコストは流動的で、かつ短い期間の中で100%を追い求めるのは物理的に難しい。そして何より、現場で手を動かしているのは職人たちだ。つまり、「現場ありき」ということになる。
現場がある限り、100%完璧な積算・見積に仕上げることは厳しい。とはいえ、まずは自社が受注せねば何も始まらないというのが大前提である以上、どこか納得できるところで終わりを見つけて提出しなければならない。
意匠・構造・そして設備図にある情報を過不足なく金額に落とし込んでいく仕事に、私たちは皆プライドを持って働いているが、100%の完璧な仕事をすることはできない悔しさも日々つきまとう。
辛く大変な日々も「受注」ができると報われる
ここまで見積業務の現状を記してきたが、もしかしたら少し悲壮感が漂っていたかもしれない。読んでいて、暗い気持ちにさせてしまっていたらごめんなさい。
ただ、私がここで一つ言いたいのは、非常に責任のかかる仕事だからこそ、自分が担当した案件を受注できた時は、飛び跳ねそうになるくらい嬉しいということだ。
日々、期日に追われながら見積業務をこなしていく中で、正直しんどいことや辛いことのほうが圧倒的に多いのは事実である。
しかし、「受注」できた時は、この仕事を頑張ってきて良かった!次回の案件もまた頑張ろう!と心から思える。私はこの達成感のトリコになっているのかもしれない。
――記事を読んでいただき、ありがとうございました。全国的に危険な暑さが続いていますが、こまめに水分を取ったり、休憩を挟みながら、熱中症に気を付けてお過ごしください。今日も一日、ご安全に!!
メーカーには勝てないね。
あと、施工が赤字になるのは役所の単価が低いから。
奴隷の世界だよね。
近年特に役所単価と実勢単価に乖離がある。
私は積算、購買部で、1円単位で切詰めてほしくない。