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【阪神高速ドボジョシリーズ最終回】「国際」の仕事がライフワークとなりつつある元祖ドボジョ

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公開日:2022.07.28 / 最終更新日:2022.08.16
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決定権のあるところに行きたい

――就職活動はどんな感じでしたか?

川上さん 大学の先生の中に、阪神高速の審議会のメンバーだった方がいらっしゃって、その先生が阪神高速入社を私にススメてくださったんです。それで阪神高速の存在を知りました。

インターンは、橋梁メーカーとコンサルタントに行ったのですが、インターンを通じて「決定権は発注者にある」ということを実感したので、「どうせなら、決定権のあるところに行きたい」と思うようになりました。

完全な行政機関よりは、当時は公団でしたけれども、半官半民の阪神高速のほうがおもしろそうだなということで、阪神高速に入社しました。先生のオススメがなければ、関西の自治体に就職していたでしょう。

――阪神高速には女性の土木技術者はいたのですか?

川上さん いえ、土木職は私が最初でした。ちょうど男女雇用機会均等法ができて間もないころでした。

――フロンティアですね。

川上さん 当時はそんなものだったんですよ。なにもわからない状態だったので、入社してからいろいろ考えようという感じでした。

――「阪神高速でこれをしたい」というのはとくになかったですか?

川上さん 当時はメンテナンスのことはなにも知らず、単純に「橋を架けたい」と思っていました。ただ、私が入社して以降は、橋よりトンネルの建設が増えました。

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「無難な職場はイヤです」

川上さん

――入社してからどのような仕事をしてきましたか?

川上さん 入社1年目の冬に、阪神淡路大震災が発生し、湾岸線の震災復旧を2年ほど担当しました。

その後、建設現場の担当になりました。初めて女性を現場に出すに当たり、会社としても右往左往したと思いますが、「無難な職場はイヤです」と言い張って、なんとか現場に出してもらいました(笑)。

配属されたのは北神戸線の建設現場で、コンクリートのアーチ橋の施工監理を担当しました。実は、もともとはトンネル工事の担当になる予定だったのですが、昔からトンネル工事中に女性が入ると「山の神が怒る」と言われていますので、いろいろな配慮があって橋梁の担当になったのだと思います。

入社後、最初の6年間は建設関係の仕事をしていました。その後、休職して、2年間アメリカの大学に留学しました。復職後は、保全関係の仕事を9年間やりました。現場、設計、企画、出向といった感じで、一通りやりました。それからの10年間は、今もやっている国際の仕事を担当しています。建設と保全を経験した後に、国際の仕事をするのは、キャリアパスとしては良かったかなと思っています。

――アメリカではなにを学んだのですか?

川上さん 橋梁のライフサイクルコストについて勉強しました。ライフサイクルコストの研究で著名な先生が、たまたま私の恩師と知り合いだったので、それまで保全関係の業務経験はありませんでしたが、先取りする形でメンテナンスの勉強をしました。

「自分は女性だ」と思って仕事をしていない

川上さん

――それにしても、国際で10年は長いですね。

川上さん 私も異例だと思います。国際室ができたときから、ずっといます。

――発足メンバーだったんですね。

川上さん そうです。

――余人をもって代え難いと。

川上さん いやいや(笑)。国際業務は、英語ができるとか、特定の人でないとできないとイメージされやすいので、会社としてもなかなか動かせないんじゃないでしょうか。私としては、いろいろな人に経験してほしい仕事だと思っているんですけど。

ただ、昨年室長になったことで、自分がやりたいことができるのは、それはそれで良かったなとは思っています。それまでは人事的なことを采配する権限がなかったので。

――室長になって変わったことはありますか?

川上さん 室長の前からマネジメントはしていたので、あまり変わりはないですね。

――「管理職にはなるもんじゃない」という声も聞きますが。

川上さん スペシャリストになるのは、それはそれで良いと思いますけどね。

――「管理職になりたい」と思ったわけですか?

川上さん そうですね。「なりたくない」とは思いませんでした(笑)。

――土木系女性社員初の管理職だったと思いますが。

川上さん 周りはともかく、私自身は、「自分は女性だ」と思って仕事していないので、そういうのは関係ないと思ってきました。本当のことを言えば、そういうククリにされるのは好きではありません。普通に仕事してきて、普通に管理職になっただけ、そういう風に捉えています。人事当局にはいろいろな考えがあってのことかもしれませんが(笑)。

本業と国際業務をつなげたい

――この間、「国際以外の仕事をしたい」というのはあったのですか?

川上さん それはなかったですね。学生のころから漠然と「海外に出る」と思っていたので、それが叶っていると思います。

――英語は昔から達者だったのですか?

川上さん 小さいころにアメリカに3年ほど住んでいたのと、2年留学したので、ある程度できるという感じです。むしろ、国際室に来てから、しっかり勉強しました。

――専門用語を使うから?

川上さん それもありますし、やはり仕事で使うとなると、いろいろな意味で自分を追い込む必要があるからです。

――ずっと国際でも構わない?

川上さん そうですね。

――ライフワークになっているようですね。

川上さん (笑)。

――国際の仕事で「ここまでやりたい」ということはありますか?

川上さん 若い社員にバトンタッチしていくことですね。今は「経験者」で仕事を回していますが、経験者以外の社員をどう巻き込むか、どう取り込むかということに力を入れたいと思っています。国内業務と国際業務をつなげるために、戦略的な人員配置をするということです。

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四国の犬
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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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