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施工管理は「棟梁」と同じ存在であるべき

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公開日:2022.08.23
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ハウスメーカーやゼネコン主導の時代へ

戦後の法整備が進む中、昭和25年には建築基準法が施行されました。高度経済成長期には、工業製品の開発なども進んでいき、品質の確保も行われるようになっていきます。

昭和30年代半ばには、「3時間で建つ勉強部屋」というキャッチフレーズで、大和ハウス工業が「ミゼットハウス」という日本初のプレハブを発表しました。この商品こそがプレハブ住宅の原点で、ハウスメーカーのはじまりとも言われています。

生産効率と品質の均等性、生産コストの削減、短納期のすべてを実現した商品の誕生は、あっという間に人気を博し、大ヒットしました。ここから世の中は、ハウスメーカーやゼネコンを主導とした時代へ一気に転換していきました。

その影響を受けた町の棟梁や職人は、その波にのまれ、ゼネコンやハウスメーカーの傘下に入らざるを得なくなり、棟梁としての権威は後退していくこととなりました。

そして、昭和30~40年代には施工管理が次々と誕生し、ハウスメーカーやゼネコンに属して、品質管理、工程管理、安全管理、原価管理をする方々が現場の指揮を執るようになりました。

これにより、職人は工事の作業員、施工管理は工事の管理者、建築士は設計というように役割が区別され、言うなれば「設計施工一貫方式」の時代の棟梁の業務を分ける形で、建築工事の体制が構築されるようになりました。

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棟梁業が枝分かれして誕生した施工管理

このように、施工管理の原点をたどってみると、建築現場での指揮官をしていた棟梁の仕事が時代の流れと共に変化し、枝分かれしたことで誕生したのが施工管理ということがわかります。

つまり、施工管理は棟梁業の一部だというわけです。そう考えると、Wikipediaに書いてあることは、あながち間違っていないということがわかります(笑)。大切な仕事の一部をいただいたわけですから、私たち施工管理は棟梁業の何かをしなければなりません。その”何か”とはなんでしょうか。

たとえ話で考えてみましょう。国難級の大きな災害や戦争によって、街がまるごと消えてしまったとします。政治的にも人々の生活的にも大混乱の中、復興の即戦力がある(仮設住宅を建てたりできる)のは、やはりつくり手である「職人」だけです。

まさに職人は救世主となるわけですが、その時に施工管理はモノを建てられる技術はないわけですから、何もできません。現場では戦力外です。だからといって、何もしなくて良いということではありません。

施工管理としてできることはたくさんあるはずです。早い段階で情報収集をして、建築士と連携し、プロジェクトを計画し、一刻も早く職人の働くフィールドを作りだし、最後まで総体的に復興に携わる。これが棟梁業の一部をいただいた「施工管理」としての仕事だと思います。

左脳の施工管理、右脳の職人

戦後の高度経済成長期を越え、バブル期を越え、多くの天災を乗り越えてきた先輩方が、施工管理の基礎を築いてくれました。

「温故知新」と聞くと、どこか古くさい感じはしますが、私たちが棟梁ってどういうものなのか?を学ぶことは、施工管理の原点や新しい道を開くキッカケを探ることにも繋がります。

棟梁業が枝分かれして50年。ITも想像を超えるほど発達して便利になった時代だからこそ、今まで考えつかなかった「新たな建設業界」を考えることができるようになりました。

これからは、新しいテクノロジーを活用し、今まで以上に職人さんのパフォーマンスを発揮させて、左脳の施工管理、右脳の職人、合わせて「建築棟梁」という連帯感を持って、日本の誇れる建築業界を目指していきたいものです。

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この記事を書いた人

滝之力-TAKInoCHIKARA-
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大工職から施工管理職へ転身。住宅ハウスメーカーにて、施工管理と外国人大工技能実習生の教育、現場メディアを担当している。
「施工管理に取り組む姿勢」や「施工管理は楽しい」を発信する。
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コメント(1)

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  • - 2024/12/06 20:11

    設計事務所も 同じです 現場は昔々から言われて居ました 音楽と 同じです 作詞作曲が 設計事務所 で 現場監督が タフトを降る 指揮者 演奏者は 職人の 大工 さん 左官屋さん ペンキ屋さん 建具やさんです よ 楽譜を 読み間違えたり 指示に従わないと 良い音楽 良い 建物は 出来無いからね✌️

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