えるぼし認定のための女性管理職はつくらない
このように、関西ペイントでは、女性採用比率が21%、継続就業年数が18.5年、平均残業時間一月あたり5.5時間など、派遣から正社員まで問題なく取組みが進められているが、女性管理職比率については2.7%と低い点に課題がある。
ただし、社内ではえるぼし認定取得のために、「女性活躍のための管理職をつくることはしない」との方針があり、女性社員向けの研修会などを増やし、「自分も管理職にチャレンジしたい」と思ってもらうような取り組みを展開している。こうした施策により、営業や研究職にも女性が活躍するケースが増えたことは大きな成果と言える。

関西ペイントでの女性活躍支援制度は年々進化している
サビ止め塗料開発者は理系女子
具体例な女性活躍の事例としては、関西ペイントでは鋼橋やプラント鋼構造物をサビから長期に渡って護るサビ止め塗料「ルビゴール」を開発・販売しているが、このほど国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)に登録されるなどの実績を深めた。「サビを残したまま塗装ができたら」という要望に応え、開発した「ルビゴール」は、独自のサビの抑制メカニズムによる効果が認められている。
従来は、さびだらけの構造物はいったんさびを落として、キレイにしてから塗装する手法が一般的であった。このさびをキレイに研磨するためには時間がかかり、この作業を短縮できると全般的な工期やコスト短縮に効果がある。この開発者の代表者が理系女子の太田 伶美さんであった。
先行的に多くの企業がサビを残したまま塗装しても防錆力を保つ補修剤や塗料を開発してきたが、期待したサビの抑制メカニズム通りの効果は得られなかった。こうした先行研究が背景にあるため、社内から太田さんに対しても「そんな研究は無理だからやめたほうがいいのでは」と一部反対意見もあったというが、それでも太田さんは「ぜひやらせてください」と意思を貫き、「ルビゴール」が誕生した経緯がある。
その後、公益社団法人腐食防食学会より、腐食防食の分野における優れた技術であるとして「2022年度 技術賞」を、一般社団法人大阪工研協会から工業化に大きく寄与する研究発明を行った研究者や、現場技術の進歩改善に功績のあった技術者に授与される「第70回工業技術賞」をそれぞれ受賞した。産休から戻った後、太田さんは「ルビゴール」の現場での評判を確認し、製品のバージョンアップにつとめている。

サビ止め塗料「ルビゴール」を開発者は理系女子
現場に女性が増えれば、メーカーにも女性が増える
関西ペイントでは、研究職だけでなく女性営業マンなど女性の職域を拡大することを目指している。これまで建設現場は圧倒的に男性が多く、女性営業マンを派遣しても話を聞いてもらえないという課題もあった。しかし、最近では「けんせつ小町」をはじめ、女性技術者や施工管理者も増え、建設現場の女性進出は建設業界を挙げて展開している。この動きは関西ペイントにとっても追い風であり、女性現場監督が増えれば女性営業マンを派遣しやすくなり、話を聞いてもらえる環境が整備され始めたというわけだ。
こうして建設業界への女性進出の環境は次第に整っている中、女性は今後、建設業界でどのような人生の羅針盤を描くべきであろうか。
結婚・出産と多様なライフイベントを迎えることになるが、人事部としては「ライフプラン」、「マネープラン」や「キャリアプラン」を同時に考えることを女性社員に助言しているという。このように、他業種においても「キャリアアップ」を目指す女性に対して、背中を押す取組みは進んでいる。これからは建設業界に限らず、女性がさまざまな場面で活躍できる時代が到来するようになるだろう。
来年に10周年を迎える女性ネットワークの会
最後になるが、女性ネットワークの会は2023年に10周年を迎える。
2023年1月6、7日に北海道・札幌駅前地下歩行空間にて「建設産業ふれあい展」という展示会を開催するほか現場見学会や講習会など各種イベントを実施する予定だ。
詳細は日本建築仕上学会女性ネットワークの会 ホームページにて今後紹介する。
女性の活躍はしていただいて結構。
正直な所、人口の半分と言うなら計画、管理、営業方面ではなく実際の生産者側へも進出してほしい。
この手の記事は圧倒的に前述ばかりなんだよね、大概ITだったりでいかに効率的に生産力を上げるかが取り上げられてる。
如何に効率的にしたところで生産者が高効率化以上に減っているので破綻するは必須。
そもそも機械じゃないからいつまでも動かない。なので人口の半分と自覚あるなら生産者側へも来てください。
自分は学が無いので生産者側で精一杯ですが学のある方が来て頂いて現場を知れば生産効率を単に上げるだけでなく新たな技術や工法が閃くかもしれません。
その暁には「前例が無い」「未確認な技術」などといざという時に責任を取りたくないばかりに承認、認定を決断しない役人などが居ない事を願うばかりです。
革新、革命的な事が無い限り100年後も今の建物も田畑も人もそのままで先細りしか見えない。