トータルステーション設置最速王争奪戦の話
昔、まだノンプリズム型トータルステーションが珍しかった時代のことです。
全国安全週間が終わった後の慰安会で、良い具合に酔いも回ってきた頃、誰がどこから持ち込んだのか、ノンプリズム型トータルステーションの周囲に人だかりができていきました。みんなで自動追尾やミラーなしの測定がどの程度の性能なのか、面白半分で試しているわけです。
そうこうするうちに、酔いも手伝って、誰が発案するともなく「トータルステーション設置最速王争奪戦」が開催される運びとなりました。もちろん、勝負ごとをするからには、何かを賭けたくなるのが心情というもので、どうしたことか、勝者が飯をおごることになりました。普通逆だと思うのですがね。
で、名だたるトータルステーションづかいの猛者たちが集う中、私もその新型機器に大変興味があったので参加することにしました。
初心者は下げ振りでおよその求心をして、三脚の調整と水平微調整のねじや求心の微調整を行います。これでは少なくとも2~3分は必要なので、とても最速王にはなれません。
酔っぱらいたちは三者三様、私に向かって最速設置法の指南を始めましたが、どの方法も再微調整の無駄が多く、今ひとつ御名答がないというのが、正直な気持ちでした。
同じ条件なら2〜30秒で設置できると思う。
三脚を置いた時点で設置完了が年に1回か2回ある。
そういった場合はもう一回やり直す。怖いから。