貫通後、若い社員が感動しているのを見て「良かったな」

坑内の様子
――貫通の瞬間はどうでしたか?
水畑さん 貫通したのは2021年8月末で、ちょうどコロナ真っ最中のころでした。呑口側の区間を担当する鹿島建設さんのほうが先に到達していたのですが、ほぼ誤差なく、貫通できました。鹿島建設さんと一緒に鏡割りをしました。
貫通式は、コロナ対策としてJVのメンバーだけで祝いました。この現場がスタートしたときは、熊谷組のメンバーは、トンネル工事を経験したことがない若い社員ばっかりだったんですが、現場で苦労しながら経験を積んだ結果、貫通の瞬間に立ち会い、非常に感動していました。それを見たとき、「ああ、良かったな」と思いました。
――意図的に若い社員を集めたのですか?
水畑さん 「トンネルをやりたい」という若い社員がたまたま集まったという感じです。
「どうしたら良いですか」ではなく、「こうしたいんです」を期待
――現場のマネジメントで配慮したことはありましたか?
水畑さん トンネル工事は基本的に昼夜の作業になるので、トンネルの現場では宿舎を建てるのが一般的です。ただ、仕事とプライベートの区別がつかなくなりやすいです。なので、この現場では、宿舎暮らしではなく、近くにワンルームを借りて、そこでそれぞれ暮らしています。休みの日は完全に仕事から離れ、社員がリフレッシュできるよう配慮しています。まあ、ボクは宿舎のほうが良いんですが(笑)。
――人を育てる上で、気をつけていることなどはありますか?
水畑さん 若い社員に対しては、「自分たちで考えてやりなさい」と言っています。「聞いてくるな」が基本スタンスです。聞いてくるにしても、「どうしたら良いですか」ではなく、「こうしたいんです」を期待しています。本人にある程度任せないと、成長しないからです。もちろん、できる範囲のことを任せます。
最初のころは、材料を多く注文したり、失敗することもありました。ただ、実際に失敗したことで、材料や原価といったことについて、より真剣に考えるようになっています。最近は、私のところに聞きにくることもほとんどなくなりました。
――細かいことを言っても、人は育たないと?
水畑さん そうですね。上司から毎日細かいことばっかり聞かれたら、私でもイヤになりますからね(笑)。
最低でも2日後の状況を読まないと、施工管理はキビシイ
――トンネル工事に必要なスキルはなんだとお考えですか?
水畑さん あまり偉そうなことは言えないですが、若い社員には「先々のことを考えなさい」と言っています。「先を読むチカラ」ですね。
施工管理する身としては、少なくとも2日後の状況を読んでおかないと、キビしいんじゃないかと思っています。ボクなんかは、先を読んでも当たらないこともありますが(笑)。
社員に対しては、「自分たちで考えてやりなさい」と言っています。「聞いてくるな」 という文がありますが記事い出てくるようなしっかりした体制では良いと思うのですが…。
会社や体制がしっかりしていないとどうなんでしょう?
自分の今いる現場の所長さんは上記の様な事を言われて非常に苦しんでいましたね。
工期が迫っている場合は失敗が許されないでしょうし、失敗するならうまく失敗しろという理論なんでしょうか?
中小だと一個の失敗が致命的になる場合もありませんか?
自分は40代ですが正直なところ失敗させて覚えてもらうが出来る企業は少なくなってませんか?
記事にもでていますがDXでシュミレーション等行い失敗を最小限にできるような環境ばっかりになれば良いですね!