ゼネコンの現場監督は建設工事現場の作業員を監督し、工事が完了するまで管理を行う仕事です。ほかにも、打ち合わせのための資料作りや工事書類の作成などのデスクワークもあるので業務は多岐にわたります。
施工管理と比較されることもありますが、仕事内容はほぼ同じで、全体の平均年収も高いことから長く安定して働ける仕事を希望する方にもおすすめです。
この記事では、仕事内容や一日のスケジュール以外にも年収やメリットについても紹介しますので、ゼネコンの現場監督に興味のある方は参考にしてみてください。
ゼネコンの現場監督とは
ゼネコンとは「general contractor(ゼネラル・コントラクター)」の略で、建設業界では総合建設業者のことをいいます。
規模の大きな工事を任されることが多いので、大勢の現場作業員に指示を出し、まとめるのが主な仕事です。
ここでは、仕事内容や就職後にどんな仕事をすることが多いか、一日のスケジュールについても解説していきます。
仕事内容
基本の仕事は「工程管理」「原価管理」「品質管理」「安全管理」の4種類で、施工の工期にあわせてスケジュールを作って遅れが出ないように進めていきます。
たとえば、天候やそれ以外のトラブルがあると変更や修正など素早い対応をし、材料の変更をするときは原価を計算しながら予算内に収まるような調整をします。
ほかにも、施工の現場では現場作業員が安全に働けるようにヘルメットや安全帯のチェックをしたり、危険な作業がミスなく進むように指示を出したりします。
また、現場監督と施工管理で職種がわかれている会社は、現場監督は現場作業がメインで、施工管理はデスクワークがメインになることが多いです。
現場監督と施工管理がわかれていない場合は、書類作成などのデスクワークもあるので現場作業後に事務所に戻って業務を行うこともあります。
現場監督1年目の仕事内容
1年目は、先輩や上司と一緒に行動しながら仕事を覚えていく会社が多い傾向があるため、わからないことがあれば積極的に質問をして学んでいきましょう。
一般的に、最初は朝礼や安全管理の準備、現場の写真撮影などを任されることが多いです。
ほかにも、現場監督として、職人や現場作業員の質問や相談を聞いて指示を出すなど、現場の状況に合わせた柔軟な対応が求められます。
現場監督の一日のスケジュール
勤務時間は朝が早く、8時から勤務開始の会社もめずらしくありません。
現場での業務を開始し、12時の昼休憩の後は現場での業務に加え次の日の打ち合わせや事務処理をして、18時~20時に勤務終了といった流れが一般的です。
施工管理求人ナビの施工管理技士の転職成功事例に、転職された方のスケジュールなども載っていますので参考にしてみてください。
ゼネコンの現場監督の年収
求人ボックスの給料ナビによると、現場監督の平均年収(正社員)は458万円で、全体の給与幅は359〜1,115万円なので、勤務先や経験・スキルによって変動があることがわかります。(2023年10月31日時点)
ゼネコンの中でも、スーパーゼネコンと呼ばれる大手ゼネコン主要5社の平均年収もご紹介します。
【スーパーゼネコンの平均年収】
- 鹿島建設:1,163万円
- 大林組:1,031万円
- 竹中工務店:1,009万円
- 大成建設:992万円
- 清水建設:971万円
※各社の有価証券報告書を参照
その他、昇給は資格や仕事の規模によってもかわるので、高収入を目指す場合は資格取得も検討してみましょう。
ゼネコンの現場監督になるための条件
現場監督になるために必要なものはとくにありませんが、自分のキャリア計画によっては資格があればメリットになります。
ここでは、学歴と資格について解説します。
学歴
ゼネコンは高学歴でなければ就職できないと思っている方もいますが、建築系の高校や大学ではなく文系の学歴の方を採用している会社も多くあります。
資格を取る時は、建築系の高校や大学だと必要な実務経験の年数が短くなるので有利になります。
資格
スーパーゼネコン(大手ゼネコン主要5社)や大手ゼネコンは就職後に1級施工管理技士・一級建築士の取得を求められることが多いです。
また、主任技術者や監理技術者になれる資格を持っていると、規模の大きな工事を任されるようになるので給与だけでなく資格手当や昇給などで年収が上がる可能性があります。
キャリアアップを考えている方は、資格を取得して幅広い業務を経験していきましょう。
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ゼネコンの現場監督で働くメリット
ゼネコンの現場監督で働くと次のようなメリットがあります。やりがいや働く条件が整っている会社が多いので、自分にあうところを探してみましょう。
ビッグプロジェクトに携われる
規模の大きな会社になるほど、ビッグプロジェクトに携われる可能性が高くなります。
誰でも知っている橋や高速道路の改築をしたり、ビルの建設や改築をしたりする仕事もあるので興味のある方におすすめです。
建設業の最先端技術に携われる
デジタル化によって、ドローンで点検や測量をしたり、ロボットや3Dプリンタを活用して作業効率化を図るなど、最先端技術を取り入れる会社が増えています。
ゼネコンで規模が大きい会社は導入しているところもあるので、使ってみたい方はそこにも注目して捜してみましょう。
現場監督の業務は幅広く、現場での作業や書類作成の作業量も多いので、その工程をクラウドで情報を管理するなど仕事が楽になる技術も使えますよ。
ホワイトな職場が多い
大手・中堅ゼネコンの会社は、2024年から本格的になる働き方改革の対応を進めています。
そのため、作業をデジタル化しているので全体の業務量が減り、結果的に残業や休日出勤も少なくなりつつあります。
福利厚生も手厚いところが多く、残業手当だけでなく社員食堂や住宅補助・社宅・寮など、社員が長く働きやすい環境づくりに力を入れている会社もあります。
転職しやすい
ゼネコンの現場監督は施工全体に関わりマネジメントするので、幅広い経験やスキルが身に付きます。
高度な技術や最新の技術を使って施工をすることもあるため、転職する場合はアピールポイントになるでしょう。
ゼネコンの現場監督で働くデメリット
ゼネコンの現場監督はメリットが多いですが、良いことばかりではありません。
この項目ではデメリットとなるポイントを紹介するので、どんな条件の会社で働くのが自分にあっているか、メリットと比較しつつ参考にしてください。
残業が多く休日出勤もある
近年では、デジタル技術を導入している会社も多いので、作業量がアナログの時よりも少なくなり、残業時間や休日出勤の日数も減っています。
しかし、外の現場だと天候による遅れもあるので、スケジュール変更で残業や休日出勤が増える場合もあります。
勤務時間が少ない会社を探している方は、多くの求人を比較したり、転職エージェントに相談したりして希望にあうところを見つけましょう。
勉強することが多い
普段の業務量が多いだけでなく、新しい制度や法律、技術も学ぶ必要があるため勉強することがたくさんあります。
仕事が終わって疲れている時に、資料や本を集めるなど自分で一から準備して勉強するのは大変です。
しかし、今は人材を育てる制度が整っている会社も増えているので、そういったところであれば就職してからも安心して働くことができます。
入社後だけでなく、必要に応じて制度・業務の研修や勉強会があるため、自分のスキルアップにもつながりますよ。
また、施工管理技士や建築士などの資格習得の支援制度がある会社もあり、人材育成に力を入れている会社が増えています。
コミュニケーション能力を求められる
仕事の内容が幅広いため関わる人も多く、それぞれの作業員や職人・他の業者と協力しながら仕事をするので、調整役になることが多いです。
通常の業務を円滑に進める時も現場の人たちとの交流は大切ですが、急なトラブルや作業員の中で意見が分かれている時も対応しなければなりません。
調整が長引くと施工スケジュールも遅れてしまうので、ある程度のコミュニケーション能力が必要になります。
もし、接客業をしていて人と関わることに慣れている場合は、現場作業を監督するときに経験を活かして働けます。
転勤や出張がある
大手ゼネコンなどは、カバーする地域が広範囲の会社が多く、転勤や出張が発生する可能性があります。ただ、今は社員を転勤させるのではなく、現地採用を実施するゼネコンもあります。
派遣だと希望勤務地で仕事を探すこともできるので、働く場所を選びたい場合は選択肢に入れてみましょう。
長く安定して働きたい方に向いている仕事
ゼネコンの現場監督は現場全体を管理し、工事がスケジュール通りに完了するよう進めていく仕事です。変更やトラブルがあれば、臨機応変に対応しなければならないので大変ですが、コミュニケーション能力のある人はその強みを現場で活かすことができるのでおすすめです。
年収も高く、長く安定して働きたい方には向いている仕事なので、さまざまな求人情報を見たり転職エージェントに相談したりして、働いてみたい会社を探してみましょう。
自分で求人サイトを利用して多くの求人から気になる求人を探すこともできますが、一人で探すには苦労してしまう方もいます。誰かに相談をしながら探したい方は、求人の多い転職サイト・エージェントを利用すると自分の希望にあった会社を紹介してくれるのでおすすめです。