施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

トヨタで学んだ「現場主義」を四国地方整備局でも実践する

  • インタビュー
  • キャリアを考える
公開日:2023.12.19
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 1 コメント
  • メールで共有

自転車でお遍路さん回りを実行中

第45番札所 岩屋寺を詣る奥田さん(本人提供写真)

第45番札所 岩屋寺を詣る奥田さん(本人提供写真)

――四国地方整備局の企画部長にご就任されてまだ数か月ですが、いかがですか?

奥田さん 機会を見つけて、各県に足を運んできました。今動いている現場も、一通り見させてもらいましたので、四国が抱えている課題、今後取り組まなければならないことについては、おおむね理解しているつもりです。地域の特性や特色についても、休みを利用して、理解するよう努めているところです。

仕事の話から少しそれますが、休みの日は自転車で四国遍路を回っています。徳島から始めて、高知を回って、今愛媛を回っている途中です。現地まではJRに自転車を乗せて行っています。

――自転車がご趣味でらっしゃる?

奥田さん 趣味というほどではありませんが、自転車活用推進官のころに「自分も自転車に乗らんといかんのかな」ということで、クロスバイクに乗るようになりました。初心者に毛が生えた程度です(笑)。1日で走れるのはせいぜい100kmぐらいですね。

――「自転車でお遍路を回ろう」という発想はどこからきたのですか。

奥田さん 四国地整の先輩方から「俺はお遍路回ったけど、お前も行くんだろうな」と言われたからです(笑)。

――そんな伝統があるとは知りませんでした(笑)。

奥田さん 歴代の局長さん、歴代の企画部長さんでお遍路を回っている方々は多いですよ。自転車で回った方もいらっしゃいます。さすがに歩くのは途方に暮れてしまいますが、「自転車ならなんとかいけるやろ」という感じで回っています(笑)。

――過酷そうでもあり、楽しそうでもありますが、どうですか?

奥田さん 両方ですね(笑)。とくに強風の向かい風の中、ずっと走るのはツラいです(笑)。あとはパンクが怖いですね。その一方で、地域のことがよくわかります。事業箇所のヨコを通ることもありますし。

資格の難易度と年収の関係は?【PR】

働き方改革への対応が一番大事な仕事

一斉閉所呼びかけに関する資料(四国地方整備局提供)

一斉閉所呼びかけに関する資料(四国地方整備局提供)

――企画部のお仕事についてはどうですか?

奥田さん 建設産業が抱える問題として、2024年問題があります。2024年度以降、罰則付きの残業上限規制が適用されることになっていますが、これに対応するために、働き方改革をどうやって実現していくか、建設産業の生産性を上げていくかが、私にとって、今一番大事な仕事になっています。

企画部は建設業界との窓口の役割を担っているので、常に建設産業の皆さんのご意見を聞きながら、改善すべきところは改善していくということで取り組んでいるところです。それと同時に、若い担い手が少なくなってきている中で、建設産業全体の魅力も高めていかなければなりません。この辺が一番大切な部分だと考えています。

――インフラDXについてはどうですか。

奥田さん インフラDXは大手建設会社が先行していますが、地方の中小建設会社も積極的に取り組んでいただく必要があります。そのために、中小企業を対象とした現場見学会や講習会を定期的に実施したり、DXのための人材育成を支援したりしています。

――働き方改革と言うと、週休2日の徹底と長時間労働の是正がポイントになると思われますが、現状をどう見ていますか。

奥田さん 直轄工事については、週休2日はだいたい達成できていますが、完全週休2日を目指しているところです。完全週休2日とは、土日、祝日をカレンダー通り休みにするということです。これまでは4週間のうちのどこかで8日休みがあれば良いということでやってきましたが、これからはカレンダー通り休みが取れるようにするということです。いつ休みかあらかじめわかっていれば、計画立てて生活することができますし、プライベートも充実するからです。

われわれ自身が建設産業の魅力を高めていかなければならない

――土木広報についてどうお考えですか。

奥田さん 今はだいぶ進んでいると思います。「現場の見える化」という言葉も一般化してきました。ちなみ、「見える化」という言葉はもともと、トヨタが使い始めた言葉です。デジタルサイネージを使って積極的に情報発信している現場も増えてきています。現場見学会なども活発です。土木広報は、そういった一つひとつの積み重ねが大事だと思っています。

ただ、さきほどもちょっと触れましたが、われわれの建設産業が本当に魅力あるものかどうかという問題があります。われわれ自身が建設産業の魅力をもっと高めていかなければならないし、そういった情報を発信し、国民に理解していただかなくてはなりません。国民の方々に、夢が持てる、成長できる、チャレンジしがいのある仕事だと思っていただけるよう、しっかり広報活動していきたいと考えています。

――災害対策についてはどうですか。

奥田さん 南海トラフ巨大地震の発生確率は、今後30年で70%~80%と言われています。地震発生から津波到達までほんの数分と予想されている地域もあるわけです。そういう状況下では、いつ災害が起きても不思議ではないという意識付けが大切であり、そのための広報が必要だと考えています。

四国には年間3000mmを超える雨が降る地域もあります。地震だけでなく、想定外の風水害にも常に備えておく必要があります。そのためには、ハード対策だけでは追いつかないので、ソフト対策が大事になってきます。各事務所が主体となって、県や市町村、住民などとしっかり連携しながら、災害に強いまちづくりというものを計画的に進めていく必要があると考えています。企画部としても、積極的に関与していくことにしています。

国を、地域をより良くしていくのが大きなやりがい

――奥田さんにとって、国土交通省の仕事の魅力はなんですか。

奥田さん 社会資本整備を計画的に、着実に進めていくというのが、われわれの大事な責務だと認識しています。社会資本整備とは、安全に安心して暮らせるまちづくりであったり、地域と地域経済の発展を下支えするといったことです。われわれの仕事は、目先だけではなく、中長期的な視点に立って、地域の皆さんと一緒に考えながら、地域をより良くしていく仕事です。時には困難を伴う仕事ですが、それを成し遂げるところに大きなやりがい、魅力を感じています。

人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!

「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、

こちらからお気軽にお問い合わせください。

«12
  • この記事をシェアする0
  • この記事をツイートする0
この記事のコメントを見る1
こちらも合わせてどうぞ!
「龍馬」という名前のせいで、7年で2回も高知に配属された男【土佐国シリーズ#2】
「龍馬」という名前のせいで、7年で2回も高知に配属された男【土佐国シリーズ#2】
【土佐国シリーズ#2】計画課長・合谷 龍馬さん 土佐国(土佐国道事務所)シリーズ第2弾は、計画課長の合谷龍馬さんだ。高知県は、「坂本龍馬」以外、対外的にアピールするネタがないことは周知の事実だが、「龍馬」の名を持つ国交省...
「出すぎた杭は打たれない!」建コン業界をざわつかせる若手リーダーの野望
「出すぎた杭は打たれない!」建コン業界をざわつかせる若手リーダーの野望
建設コンサルタンツ協会 若手の会代表 伊藤昌明 一般社団法人 建設コンサルタンツ協会の中に、「業界展望を考える若手技術者の会」(通称:若手の会)という内部組織がある。 若手ゆえの過激な内容を含んだ「魂のメルマガ」や、業界...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...

この記事を書いた人

四国の犬
この著者の他の記事を見る
基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
トヨタで学んだ「現場主義」を四国地方整備局でも実践する トヨタで学んだ「現場主義」を四国地方整備局でも実践する

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • トヨタで学んだ「現場主義」を四国地方整備局でも実践する
  • 施工の神様
  • キャリアを考える
  • トヨタで学んだ「現場主義」を四国地方整備局でも実践する

コメント(1)

コメントフォームへ
  • - 2024/08/26 16:53

    久しぶりに奥田秀樹様のお顔を拝見し、懐かしさとその後の経歴に感嘆
    しております。全国各地を転勤されて色々な経験を積まれ素晴らしい
    栄転をされている事を嬉しく思っております。宮崎河川国道においては、
    私が長崎河川国道へ転勤する後任として宮崎に来ていただき、宿舎も
    大塚町の私が住んでいた木造宿舎に入られ、エリートの方の住むような
    宿舎では無く、大変申し訳なく思った事が、昨日の出来事のように思い
    出されます。長崎では荒瀬美和様と一緒に仕事をさせて頂きましたが、
    本省で奥田さんが一緒に仕事された事を初めて知りました。岩切清樹

    返信する 通報する

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様