平屋市場が10年間で2倍に増加した理由
――平屋というとシニア層のイメージがありましたが、いまのお話にもあったように若い方の購入者も増えているのでしょうか。
安田氏 そうですね。昨年、「SUUMOリサーチセンター」は“平屋回帰”を住まいのトレンドキーワードとして発表していますが、人口減少社会の日本の住宅市場において、平屋は数少ない成長セグメントの一つです。新築住宅の全体着工戸数は100万戸数時代から下落を続け、今後もさらに減る一方でしょう。しかし、平屋住宅に限定すると、この10年で約2倍の伸びを示しています。国土交通省の建築着工統計調査によると、全国の新築の木造平屋住宅の着工棟数は2012年度の約27,000棟に対し、2022年度には約52,000棟へと倍増しています。

平屋の新築着工棟数は10年で約2倍に / 国交省の調査をもとにケイアイネットクラウドが作成
――なぜ、“平屋に回帰”しているのでしょうか。またその中でIKIが選ばれる特徴はなんですか?
安田氏 まず、ご年配の方のケースですと、お子さんが独立したあとにご夫婦で住まわれるケースが増えています。お子さんがいるときは2~3階のスペースが必要になりますが、お子さんが独立されたあとに使わない部屋が増えたり、同じ規模で建て替えるとなると、費用面でも老後の大きな負担となります。また、高齢になられてからは階段の上り下りも負担になるため、利便性が悪くなります。そのため、必要な広さで快適な生活を送る事のできる平屋はご年配の方から高い人気があります。
一方、若い世代ですが、コロナ禍でリモートワークが定着し、郊外に広い土地を購入される方が増えてきました。そこにマンションと似たワンフロアで家事導線など利便性が高い平屋のニーズがマッチしました。また、今の世相では離婚される方も少なくなく、シングルマザーも増えていますが、これらの理由で平屋はちょうどいいサイズで若い世代にも人気があります。
あとは趣味を大切にされている方からの人気も高まっていて、当社としてもこうした方々に向けてはガレージプランをご用意しています。時代の変化もあり、本当に幅広い層の方々から支持されているように感じています。その中でもIKIは規格型プランで分かりやすく価格が抑えられる点が選んでいただける特徴と考えています。
FC展開でIKIの全国展開へ
――FC事業の「IKI.net」の進捗はいかがでしょうか。
安田氏 主に工務店、または不動産仲介FC「KEIAI FC」の加盟店で建築分野に参入されたいとの意向を持つ事業者を対象にPRしているところで、現在参画している企業はすでに10社を超え、毎月加盟店が増加しています。当面は100社の加盟獲得を目指しています。

規格型平屋注文住宅「IKI」シリーズを軸としたFC事業「IKI.net」(イキドットネット)がスタート
――地域の小規模の工務店は生き残っていくのが難しい時代ですが、FC加盟のメリットは?
安田氏 中小工務店には、「商品力」「集客力」「資材の調達力」「人材力」の4つの課題があります。自社で独自の商品を開発することは難しいですし、インターネットを活用した集客手法が確立している企業も多くありません。仕入れについても年間数棟ほどの施工では資材を高く仕入れざるを得ませんし、営業手法を凝らしてスムーズに受注していくことも簡単なことではありません。
IKI.netでは、こうした悩みを抱える工務店に向けて、IKIで培った次世代の注文住宅事業経営手法を基にDXサポート・IKIブランド使用権の提供・マーケティング・送客・部資材提供・建築サポートという総合的なバックアップを行っています。
――工務店からの反響はいかがですか?
安田氏 平屋も含めた他社の住宅建築のFCと比較されることもありますが、先ほど申し上げたバックアップ体制をお伝えすると、非常に前向きに検討いただけています。また、当社では事前に市場調査を行うのですが、地域によっては年間10棟以上の反響が予測されることもあり、驚かれる方も多いです。
発足当初は関東、東海を中心としていましたが現在は中部、近畿からの反響も増えてきており、九州も平屋住宅の需要が高い地域のため、今後は全国展開を積極的に進めていく考えです。
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