地元住民はもちろん、子どもや親世代に対しても、しっかり情報発信を
――砂防事業のPRについて、どうお考えですか?
佐々木さん 事業を実施している地域の方々にご理解いただくために、地元の方々に住民説明会をしています。出前講座みたいなカタチで、学校とか子どもさんとかに向けての講習会をしています。
あとは、実際に雨が降った後に、砂防堰堤が効果発揮した事例があれば、記者発表などを通じて、砂防が皆さんの役に立っているということを知っていただけるよう努めています。
ただ、そういうPRや情報発信も、時間が経つと忘れられてしまうものです。子どもの親世代にも参加してもらったりとか、工夫と努力を継続しながら、しっかり伝えていくことが必要だと思っています。インスタグラムとかエックスといったツールでも継続的に情報を発信して、少しでも情報に触れる人を増やしていきたいなと思っているところです。
気がつけば、砂防職女性職員最年長に
――女性の砂防事務所所長さんって、これまでいらしたんですか?
佐々木さん 私の知る限り、私の前にもお二人ほどいらっしゃいました。今はお二人とも退官されていますけど。女性の砂防事務所所長はだいぶひさしぶりだと思います。
――ひょっとして、砂防職の女性では佐々木さんが一番年上ですか?
佐々木さん 気づけばそうですね(笑)。後輩もだいぶ増えてきました。
――砂防セクション的には、ロールモデルを期待されているのではないですか?
佐々木さん 砂防の男性の先輩からは、「女性の後輩たちの相談に乗ってあげてね」とはよく言われます。ロールモデルは荷が重いですが、ひとつの事例として、「こういう道もあるんだな」と参考にしていただけたら良いなとは思っています。
――国土交通省は女性が働きやすい職場だと思いますか?
佐々木さん 他の省庁と比べて、国土交通省が特段進んでいるわけではありませんが、特段働きづらいところもないと思っています。他の公務員と比べると、国土交通省の女性職員は少ないですが、徐々には増えているので、職場環境もこれまでも改善されてきましたし、今後もより改善されていくと思っています。
転勤しても、ずっと家族と一緒に暮らす
――今広島勤務ですけど、単身赴任ですか?
佐々木さん 夫と子どもも広島暮らしです。前職は内閣府に出向して、東京暮らしだったのですが、夫も子どもも一緒に引っ越してくれました。夫はそのために勤務先の融通が効く、オンラインでもできる仕事に転職しました。
――それはある意味、素晴らしいですね。
佐々木さん ちょっと特殊なパターンなので、あまり参考にはならないと思いますが。夫は自分の仕事にあまりこだわらないタイプなので、転職を別に厭わないんです。子どもは最初はちょっと渋りましたけど(笑)、今は馴染んで楽しくやっています。結果的にはこれで良かったなと思っています。
出向中も砂防職のつながりやきずなは不変
――砂防職は、職員同士のつながり、きずなが強いという話を聞いたのですが、佐々木さんはどうお感じになっていますか?
佐々木さん 出向中も砂防部から情報提供してもらっていましたし、出向者同士で情報交換する場もありましたし、つながりはずっとありました。広島にいる今もつながりはあって、広島県庁に砂防職で出向している方がいらっしゃいます。その方とはふだんからいろいろやりとりさせていただいています。なので、砂防職職員のつながりやきずなはずっと感じ続けています。
砂防職はマイナー職だけど、それがメリットでもある
――砂防の魅力という観点から、読者へのメッセージをいただけますか。
佐々木さん 砂防職に限らず、地方整備局職員とか都道府県職員という立場で、砂防の仕事に携わることがあると思います。地域の安全安心を守る事業に携われる ということで、すごくやりがいがある仕事です。砂防職ということで言うと、職員数がコンパクトな分、きずなが深いです。出向中もちゃんとケアしてくれます。マイナー職ですが、それがメリットでもあると思っています。
あとは、ほんとうにいろいろな地域や組織で働くことができますし、そういうことを楽しめる人にはスゴく働きがいのある仕事だと思います。
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