上空での作業をできるだけ少なくするという配慮

先行ネット(土佐国道事務所提供)
――現場の安全衛生管理において、建設監督官として留意している点などはありますか?
寒川さん この現場に限ってということはあまりありませんが、細かいヒヤリハットを拾い上げて、潰していくこと、その積み重ねが、最終的に重大な事故を避けることにつながるのかなと考えています。たとえば、現場での片付けや整理整頓といったことです。
塩田さん 鋼橋の架設工事は、やはり高所作業が多くなるので、墜落災害の危険が高くなります。なので、フルハーネス型の安全帯の使用は当然ですが、それに加えて、先行ネットや安全ブロックといった安全対策を講じています。万が一、安全帯のフック掛けを忘れ墜落したとしても、それをカバーする二重の安全対策を講じているということです。
橋梁工事の墜落事故は、桁架設などの作業をするときよりも、足場の組みばらしを行っているときのほうが高リスクとなっております。この現場では、「セーフティSKパネル」という足場材料を採用し、地上で足場の床材を組み立てて、桁に吊り下げて一緒に架設することで、上空の作業をできるだけ少なくしています。

安全ブロック(土佐国道事務所提供)
気軽に相談できる空気をつくって、できるだけ早く対応する

寒川さん
――現場でのコミュニケーションで、気をつけていることなどはありますか?
寒川さん 現場では、発注者と受注者間での日々の相談や報告といったところが大事になってくると思うんです。発注者があまりかしこまっていると、受注者から話しかけにくいということがあると思うので、私としては、気軽に話せる関係を築けるよう気をつけています。
それと、受注者から「相談があるんですが」と持ちかけられたときに、できるだけすぐ対応するよう努めています。相談してもなかなか対応してくれない、ということを一回でもやってしまうと、次に相談したいことがあっても、なかなか持ちかけにくくなってしまうと思うので、そのあたりは気をつけています。
打ち合わせの後、気軽に雑談に応じていただける

塩田さん
塩田さん さきほど竹野からLINE WORKSの話がありましたが、この現場では元請け職員の間で活用しています。
メールや電話で伝えるほど重要なことではないんだけど、伝えないままだと、なんかモヤモヤするというようなことが、現場ではけっこうあるんです。LINE WORKSを導入したことで、急ぎでも重要でもないけど、とりあえず報告しておきたいという事柄が、スゴく連絡しやすくなりました。画像も一緒に送れるので、報連相がとても円滑になった実感があります。
寒川建設監督官から気軽に話せる関係というお話がありましたが、本当に話しやすい空気づくりをしていただいています。打ち合わせの後に雑談をしたりしてくださるので、いざ相談事を持ち掛けたいときに話しやすくなったりと、とても助かっています。

竹野さん
竹野さん 寒川建設監督官は、こちらからご相談を持ちかけると、レスポンスがとても早いので、非常に助かっています。こちらの現場は、地元の業者さんにも入ってもらっているのですが、そういう方々とのコミュニケーションも大事だと思っています。
たとえば、「○日に隣のまちでゴルフトーナメントがあるから、道路が大渋滞するよ」といったようなことを教えてもらえることがありました。現場管理する立場からすれば、トラックの搬入日時などを考える上で、そういう情報は非常に重要なんです。
目の前でモノができていくのが楽しい

談笑する3人
――今後の意気込みなどをお願いします。
寒川さん 当面の目標は、この現場を含む安芸道路事業を進め、1日でも早い開通を目指していくということになりますが、無事故無災害で進めていきたいという思いがあります。
――建設監督官という仕事の魅力について、どうお考えですか?
寒川さん 建設監督官として現場に関わるのは、この現場が初めてですが、諸先輩方からもいろいろお話を聞いてきましたが、やっぱり施工業者の方々などと話し合いながら、物事を決め、それがうまく進んで、目の前でモノができていくのが、仕事として楽しいところだと感じています。
――その一方で、ツラいことはありますか?
寒川さん さきほども触れましたが、事故が心配ということです。絶対安心ということはなく、心配が常につきまとうので、それが苦痛に感じることがあります。
――以前にも聞いたかもしれませんが、横河ブリッジは良い会社ですか?
塩田さん はい、良い会社です!
――はい、ありがとうございました。竹野さん、橋梁の仕事の魅力はなんですか?
竹野さん 自分たちがつくった橋が地図に残るのが魅力ですね。
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