警察庁舎、滑走路、共同溝といった重要構造物が輻輳している
――こちらの現場は、狭隘かつ現場が輻輳しているようですが、施工環境的にどうですか?
柴田さん 空港島内では複数の現場が同時に動いているので、他の工区との調整が非常に重要になってくると考えています。特に工事車両の動線確保や台数管理、一般歩行者の通路確保といったことに関する調整は、今後さらに増えると予想しています。
我々の工区単独で言うと、警察庁舎、滑走路、共同溝といった重要構造物が輻輳していて、シールド掘進通過時の計測管理が大きなポイントになっています。万が一これらを傷めてしまうと、空港の機能がマヒしてしまいます。そうならないためにも、設備、埋設管理者などの関係者と日々調整しながら、施工を進めているところです。
「現場での五感」づくりと「現場の見える化」
――いわゆる働き方改革への対応として、取り組んでいることなどはありますか?
柴田さん コロナ禍を経験して、正直、建設業の現業職においては、テレワークに限界があると感じました。建設現場は生モノであり、気候や時勢によって、対応が日々変化するモノです。そういうことに対応するためには、やはり「現場での五感」が大切になります。
なかでも土木工事は、土と木、自然を相手にした職業であり、五感、ときには第六感をもって察知をしながら、モノづくりをしていきます。とても大変な職業ですが、これを楽しめる人は、ぜひとも建設業を目指してもらいたいと思っています。
建設業も人材不足を抱えている中で、2024年度から働き方改革旋風が巻き起こりました。我々の現場でも、「工事の自動化や省力化による負担の軽減」「快適に仕事ができる職場環境の提供」を促進しているところです。
働き方改革を促進させていくには、ハード、ソフト両面での取り組みというものが、重要になってくると考えています。
ハード面では、技術開発による工事機械の自動化、遠隔操作により、技能者の負担軽減や省力化を図っています。今回のシールド掘進もほぼ自動で方向制御などが行えるようになっています。我々元請職員においては、移動時間削減のため、現地サテライトオフィスの設置や遠隔臨場による検査立会など、快適な環境職場づくりに取り組んでいます。
ソフト面で言うと、この現場に限らず、鹿島では、限られた時間で効率よく社員を教育するという観点から、いままで蓄積してきたノウハウをデジタルの力でデータ化し、共有、水平展開して、次世代につなげていく取り組みや災害事例をもとに作成した「安全の見える化動画」の活用をしています。
安全管理だとか施工方法、創意工夫といったことについて、「現場の見える化」を図っているところです。
近年では、女性職員もさらに増えており、魅力ある建設業になりつつあると感じています。
魅力を感じて働く意思があれば、誰でもやりがいや達成感を感じられる仕事
――仕事のやりがい、魅力についてどうお感じになっていますか?
柴田さん 人々の生活、命を守るのが我々の仕事です。新規工事だけでなく、維持管理や災害復旧なども含めた土木の現場は、どの現場も社会からの責務を背負っています。少々の困難に遭遇しようが、そこに魅力を感じて働く意思があれば、誰でもやりがいや達成感を感じることができる仕事だと思っています。
一人ひとりが使命感を持って、直面する課題に向き合い、これまで培ってきた経験を活かし、それを解決して乗り越え、現地でモノづくりに携われることが、土木工事のやりがい、魅力だと思っています。
ちなみに、私の妻は病院勤務、息子は山岳レスキュー勤務です。私も含め、コロナパンデミックにおいても、現物、五感で仕事を続けてきた家族です(笑)。
――最後に、意気込みをお聞かせください。
柴田さん 日本の空の玄関口でもある羽田空港の安心安全を第一にしながら、安定した施工を目指し、確実に工事を進めていきます。
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やっぱ予算があるところは要点をとらえたことをしていますね!
水平展開重要だと思います!
中途半端な会社では派閥争いなのか他部署の資料や情報が
見れなかったりで情報の共有や標準化でかなりの無駄がありますねw
同じことをするのに別々の部署でってことないですか?