「答えられず自信を失う」若手をどう救うか。実務的なコミュニケーション手法も体系化
――建設業界では、せっかく座学で学んだものの、現場に出てからのコミュニケーションに悩み、離職してしまうケースも少なくありません。
八木社長 ええ。ですからカリキュラムには、技術面だけでなく「職人とのコミュニケーションの手法」もしっかり盛り込んでいます。とくに今の若い世代は、学生時代をコロナ禍で過ごした影響もあり、対面のコミュニケーション経験が不足しがちです。そして、現場で職人から専門的な質問をされ、即答できないと「自分はダメだ…」と思い込む傾向があります。
――それを防ぐために、どのような指導をするのでしょうか。
八木社長 答えが分からない質問はいったん受け流し、時間をもらったうえで正確に回答する、といった具体的なコミュニケーションスキルも講義に加えています。職人からの質問に10問中すべて即答できなくてもいいんです。一部は自分で答えて、残りは持ち帰って先輩に確認してからその日のうちに回答する。そういった実務的なコミュニケーションの手順を教えなければ、若手は「自分は建設業界に向いていないのでは」と自信を失い、この業界や施工管理という仕事から去ってしまいかねません。

八木建設 社員
――「知識」だけでなく、「判断力」や「コミュニケーション力」もあわせた現場責任者に求められる3大スキルを体系的に学べる意義は大きいですね。
八木社長 当社で活躍するには知識は必須条件です。前社長である父(現会長)も私も一級建築士の資格を持っており、営業から積算業務まで今なお対応するトップ営業のスタイルです。現在営業職に就いている社員も元は施工管理職で、技術知識が非常に豊富です。また、当社は管理業務が中心ですので、現場にいてもいなくても職人から電話などで常に即座の判断力が求められます。
そしてそれらは「コミュニケーション力」にも直結します。たとえば、内装の色彩決めについても、「単なる色決め会議ではない。その建物をどう使い、ビジネス展開するのかを含めてお客様の想いを汲み取る仕事だ」と指導しています。職人だけでなく、施主に対しても小手先ではないコミュニケーション力が不可欠です。
いつか卒業生が「講師」になる日まで。木造非住宅のプロを育てる育成の好循環
――現場責任者としての明確な「ゴール設定」についても教えてください。
八木社長 当社は埼玉県北部と群馬県南部に商圏を形成しており、関越道などのルートにより物流が盛んなエリアです。以前は工場や倉庫を鉄骨造で施工していましたが、時代の変遷もあり、現在では「鉄骨造」と「木造」のツートップ体制が当社の大きな強みになっており、私自身は木造の魅力や素晴らしさを常々社員に伝えています。
だからこそ、アカデミーで学んだ若手には、この「木造非住宅の現場責任者」になることをゴールにしてほしいと考えています。

八木建設が手掛けた木造4階建てのクリニック
――八木社長が考える「理想の施工管理者像」はありますか?
八木社長 「リピーターとしてお声がかかる現場責任者」です。他社も同様ですが、丁寧な仕事をこなすことでリピーターが増えます。私が考える良い技術者は、リピーターとしてお声がかかる現場責任者です。それは技術や知識だけでなく、お客様の想いを汲み取るコミュニケーション力を伴っていなければ実現しません。
工事で問題が発生した場合に、担当している現場責任者ではなく、私に直接連絡が来るうちはまだまだです。もしお客様としっかりとコミュニケーションが取れていれば、私に連絡が来ることはありません。
逆に、コミュニケーションに長けた現場責任者と一緒に現場へ行くと、お客様は私のほうを見ず、現場責任者の目を見て話します。これこそが、お客様との間に深い信頼関係を築けている証拠であり、現場責任者として成長した一つのゴールと言えます。
――教育体制を整えたことは、採用活動にも良い影響を与えそうですね。
八木社長 例年、当社に学生を送り出されている専門学校の先生にアカデミーのパンフレットをお渡ししたところ、「ここまで教育を見える化し、しっかりと教える建設会社を知りません」と仰っていただきました。地域建設業として70年間、堅実に歩んできた歴史の重みや社風をご理解いただくだけでなく、教育体制をここまでオープンにすることで、学校側も「八木建設になら安心して教え子を託せる」と評価してくださっています。

YAGIビルドアカデミーのパンフレット
――最後に、今後のアカデミーの展望をお聞かせください。
八木社長 最初は私や部長陣が講師を務めますが、アカデミーを卒業した若手社員には、いずれ「講師」としてアウトプットする側に回ってもらいます。教えることで本人の理解も深まりますし、社員全員でこのアカデミーを盛り上げることで、社内での絆をさらに深め、強固な団結力に繋げていきたいですね。
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就業時間での教育素晴らしいですね!
ほぼ強制参加や会社・先輩・上司の圧力がある地域貢献があるらしいので
こう言うのも是正が必要だと思います!
記事の会社の事ではありません!
やりたい人だけやればいいと思います!
就業時間なら誰も損しませんよね?