2期目で受注60億円。「九州永賢組」の躍進と戦略
――そうした社長の「挑戦する姿勢」や「スピード感」は、国内の事業展開にも表れているように思いますが、「九州永賢組」設立の経緯を教えてください。
永草社長 実は九州進出を決めていたわけではなく、藤崎という人材が入社したからこそ、彼に託すかたちで設立しました。
――藤崎所長の永賢組とのご縁は?
藤崎文紀氏(以下、藤崎所長) もともとは店舗設計や内装工事の会社を経営していました。永草社長とは仕事の取引先として出会ったのですが、社長の人柄や永賢組の魅力に惹かれて、私のほうから「一緒に事業をしたい」とお願いしたのがきっかけです。
ちなみに、永賢組の「福岡支店」ではなく「九州永賢組」としたのは、福岡だけでなく九州全体を主戦場にしたいという思いからです。「札仙広福」の中でも福岡市は頭一つ抜けて案件も豊富です。戦略次第でスピード感を持って成長できる市場だと思います。

九州永賢組の藤崎所長
――現在の事業規模はどのくらいですか?
藤崎所長 九州永賢組は今期で2期目に入りました。1期目は電気設備の下請事業が中心でしたが、収益性や将来性を鑑み、2期目(2025年7月~)からは建築主体のゼネコンへ転換しました。営業先もデベロッパーや個人投資家に絞り、この半年間で約60億円の受注高を獲得しています。受注先行型で人材採用を行うことで、無駄なコストを抑えつつ案件を確保できました。
現在はホテル、マンション、商業施設、老人ホームなどを手掛けており、2026年6月末までの着工予定は8現場です。規模は1億7,000万円から17億5,000万円まで様々です。来期は完工高60億~70億円、営業利益2億円を目標に動いています。

九州の老人ホーム新築工事現場
――すでに中堅地場ゼネコン規模の経営ですね。
藤崎所長 福岡県内の地場ゼネコンとしても中堅クラスの規模感にはなりました。九州永賢組としては将来を見据え、5期目に向けて売上高100億円を目指しています。これが実現すれば地場ゼネコントップ10入りも見えてきますので、まずはそこを最初の目標としてスピード感を持って動いています。
――立ち上げてわずか2期でこれだけの受注を実現できた秘訣は?
藤崎所長 私の営業スタイルが独特かは分かりませんが、新規顧客に飛び込み、地道な人脈形成に注力してきた結果だと感じています。
――急激な受注拡大による人材不足の懸念はありませんか?
藤崎所長 現在の受注分に関しては適切に採用が進んでおり、問題ありません。今後さらに売上が伸びるに伴い人材は必要になりますが、これまでの実績と採用戦略から、十分に対応できる自信はあります。
――社会貢献活動にも注力されていますよね。
藤崎所長 本社同様、事業成長と社会貢献の両軸で展開しています。「100万人のクラシックライブ」を月に一度開催し、音楽を通じた地域交流に取り組んでいるほか、3月からは「九州硬式少年野球 フレッシュリーグ」の大会を主催します。福岡市はソフトバンクホークスの本拠地ですから野球は非常に盛んです。各企業が野球大会に携わりますが、建設会社がリーグ大会を主催するのは50回の歴史で初めての試みです。
西日本新聞社をはじめ多くの企業の協力を得ており、こうした地域貢献がコミュニティの形成や新たな人脈、ひいては新規案件の開拓にも繋がると実感しています。

『クリスマスゲートパークin福岡大名ガーデンシティ』に協賛
――九州永賢組の今後の展開について教えてください。
藤崎所長 売上高50億円を安定的なラインとし、これを3期継続できれば、永賢グループの一員として「九州永賢組」を法人化したいと考えています。
事業内容としては、現在は賃貸マンションやホテルの案件も多いのですが、来期からは工場修繕に特化したチームも設立し、修繕・改修工事にも注力して、事業ポートフォリオのバランスを整えていきたいと考えています。
――藤崎所長は、永草社長のスピード感をどう受け止めていますか?
藤崎所長 永賢組はそのブランドに高い誇りを持つスペシャリスト集団です。NETFLIXの企業文化を描いた書籍『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』にも通じますが、自由と責任の中で生まれる化学反応のシナジー効果が、成長スピードに繋がっていると肌で感じています。その文化を重視しながら、社長のビジョンについていきます。
永草社長 優秀な人材であれば、細かいルールは不要です。道徳観を持って自走できる「能力密度の高い人材」が集まり、各部門で化学反応を起こして発展していくのが理想です。永賢ブランドというプラットフォームを活用し、新会社や新事業が次々と立ち上がる環境を作ることが、私の役割だと考えています。
永賢グループが描く、「自立型プラットフォーム」構想
――グループ会社の大脇建設株式会社も社長が交代されましたね。
永草社長 2025年11月1日付で大脇ちさと氏が社長に就任し、新体制が発足しました。同社は1913年創業の老舗ゼネコンで、岐阜県白川町に根差した土木・建築工事を行っています。
大脇社長には「白川町だけに留まらず、周辺地域へも商圏を広げて発展してほしい」と伝えています。これからは30億~40億円規模の地域ゼネコンとして成長し、「白川町にこんな立派な会社があるんだ」と、その存在感を示していってほしいですね。
白川町は自然豊かで素晴らしい環境です。大脇社長はここを「人生の集大成を迎えるのにふさわしい場所」とも話していて、空き家活用などの事業も検討されています。トップの熱量で会社は大きく変わりますから、今後の手腕に期待しています。
――最後に、永賢グループ全体の今後の方針をお願いします。
永草社長 九州永賢組の藤崎所長のようなリーダーと出会えることが理想ですが、日本全体で若い経営者が台頭し、挑戦する人々が集う大きな企業体を形成していきたいと考えています。大きなグループとして存在感を持ちつつも、各社が自立・自走して成長していく。そんな高い志と目標を持った「建設業のプラットフォーム」としての構想を実現していきたいですね。
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