800棟のノウハウを凝縮し、即戦力を育む「楽天ドローンアカデミー」
――いまお話に出た楽天ドローンアカデミーは、他のスクールとどのような違いがあるのでしょうか。
岩﨑氏 最大の特徴は、単なる免許取得にとどまらず、現場で「稼ぐ」ための実務スキルを習得できる「専門コース」が充実している点です。
これまでオフィスビルや商業施設、学校、ホテル、官公庁施設など、累計で約800棟以上(2025年12月時点)[CS6.1]の外壁調査を手がけてきました。これらの現場で培ったノウハウを凝縮し、実際の調査機体を使用した「外壁調査基礎コース」などを提供しています。
他にも、住宅の屋根点検や屋内でのFPV(FirstPersonView)撮影など、用途に合わせた技術を学ぶことが可能です。

――ただドローンを飛ばすだけでなく、実際の外壁調査となると操縦や撮影の難易度も跳ね上がりそうですね。
岩﨑氏 おっしゃる通りで、建物の構造やタイルの材質、そして時間帯による日光の当たり方までを計算して撮影しなければなりません。赤外線調査の場合、「解析時に必要な温度差が画像にどう表れるか」を撮影の時点でイメージできていないと、後になって使い物にならないデータになってしまいます。パイロットの経験と知識が、そのまま解析の質に直結するんです。
また、ビルの隙間に入るとGPSが効かなくなったり、突発的な風が発生したりすることもあります。そうした状況下でも冷静に機体の安全を確保し、かつ必要なデータを確実に持ち帰らなければなりません。単に資格を持っているだけでは通用しない世界なんです。
――そうした高い技術を教え込むとなると、カリキュラムだけでなく、訓練の環境面も重要になりそうです。
岩﨑氏 だからこそ、当アカデミーでは現場に即した環境づくりにこだわっています。東京都江戸川区にある屋内倉庫を活用しており、講習から修了審査までを同じ場所で実施できるため、受講者は本番環境に近い状態で集中して訓練を積むことができます。
こうした実戦を想定した体制もあり、国家資格(一等・二等)の初受験合格率は96%(2025年9月末時点)を維持しています。私たちは資格を取らせて終わりではなく、技能証明の更新手続きのサポートも含め、現場の技術者が不安なく業務に臨めるよう継続的にフォローしています。
「12条改正」で加速する市場
――即戦力となるパイロットの育成にここまで力を入れる背景には、業界全体が抱える課題や市場の変化もあるのでしょうか。現在の外壁調査市場はどう動いていますか?
岩﨑氏 ええ、今、市場は大きく動き出しています。最大の契機となったのが、建築基準法第12条に基づく定期報告制度、いわゆる12条点検の改正です。
2022年4月の告示改正により、一定の実施要領に則れば、ドローンによる赤外線調査が従来の「テストハンマーによる打診」と同等以上の精度を有すると認められました。これにより、竣工や改修から10年を超えた際の「全面調査」において、ドローン活用のハードルが劇的に下がったんです。
打診やブランコ作業といった従来の手法と比較して、安全かつ低コストで実施できるドローン調査への認知度は、以前よりも確実に高まっており、管理組合やビルオーナーの方々からの反響も非常に大きくなっています。
――市場全体でドローン調査の需要が拡大しているとなると、今後は自社での調査にとどまらない展開も視野に入ってくるのでしょうか?
岩﨑氏 そうですね。自社で撮影した画像の解析だけでなく、ドローンによる外壁調査を実施している他の企業様に対しても、この独自開発のシステムを活用した解析から報告書作成までを請け負うサービスの提供を予定しています。
ドローンを飛ばすことはできても、その先の高度な解析や報告書作成まで自社で対応しきれない企業様は少なくありません。私たちの知見を活かすことで、業界全体の効率化に貢献したいと考えています。
――最後に、今後の展望をお聞かせください。
岩﨑氏 「日本一のドローン会社」を目指しています。保険、機体販売、空撮、そしてAI外壁調査と、これまで点在していたサービスを一つの軸でつなぎ、ドローンによるエンパワーメントを推進していくつもりです。
建物の老朽化に伴い調査の必要性がますます高まる中、2026年はまさにドローン技術の実装・普及フェーズです。ドローンが当たり前に社会を支える未来を、着実に作っていきたいですね。
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