施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

【一建設】住宅の品質を支えるための「福利厚生への戦略投資」

  • インタビュー
  • キャリアを考える
長井 雄一朗
公開日:2026.05.12
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有
一建設 人事部次長の米山信一氏

一建設 人事部次長の米山信一氏

目次
  1. 生活基盤の安定こそが「良質な住まいづくり」の源泉
  2. 柔軟な働き方と奨学金支援で、若手に選ばれる企業へ
  3. 「67歳定年」が描く技術の循環
  4. 「絆」を可視化し、理念を浸透させる

分譲戸建住宅のリーディングカンパニーとして市場を牽引し、飯田グループホールディングスの中核をなす一建設(堀口忠美社長)は、企業の持続可能性を担保するため、福利厚生制度の大幅な拡充を図っている。

建設業界における時間外労働の上限規制、いわゆる「2024年問題」を乗り越えるためには、現場の生産性向上と並行して、社員の心身の健康を守る仕組みが不可欠だ。適切な休息とリフレッシュを支える福利厚生制度は、プロフェッショナルとしてのパフォーマンスを維持するための「インフラ」としての意味も持つ。

そして、「家をつくる」という社会的責任の重い事業において、社員が安心して働ける環境を整えることは、顧客に対する「品質への誓い」の裏返しでもある。福利厚生の充実は、ESG経営を実践する企業としての姿勢そのものを体現していると言えよう。

今回、一建設 人事部次長の米山信一氏に、同社の福利厚生に込めた思想と具体的な施策について話を聞いた。

生活基盤の安定こそが「良質な住まいづくり」の源泉

――一建設における福利厚生の根底にある考え方をお聞かせください。

米山信一氏(以下、米山氏) 当社の福利厚生は、「社員が心身ともに健康であり、生活に不安がない状態こそが、お客様に良質な住まいを届ける源泉になる」という考え方に集約されます。

まず前提として、当社の定年は67歳と、他社よりも長く働ける土壌があります。社員がこれだけ長い期間働くにあたり、その障害となる要素を取り除くことこそが私たちの役目です。だからこそ、単なる諸手当の充実に留まらず、「社員の生活基盤の安定」と「ワークライフバランスの適正化」を両立させるという明確な思想に基づいて制度を設計しています。

とりわけ、近年の建設業界における人材確保の難しさを鑑み、若手層が「長く、安心してキャリアを積める」環境作りに対し、戦略的な投資を行っています。

――「長く働く」ための土台として、具体的にはどのような支援策を打ってきたのでしょうか。

米山氏 たとえば、「スキルアップ支援」があげられます。他社では資格取得時に合格祝い金のみが支給されるケースも多いですが、当社では資格に応じて手当金を毎月給与に付与しています。対象は一級建築士(3万円)、二級建築士(2万円)、宅地建物取引士(2万円)、1級建築施工管理技士(2万円)など、計47の資格となっています。

さらに「資格取得支援」として、試験対策講座の受講費用補助(上限20万円)といった合格に向けた学習サポートも用意しています。私自身もキャリア採用で入社しましたが、この点については外から見ても素晴らしい制度だと受け止めています。

また、29都府県に営業拠点を構えている関係で転勤が発生することもありますが、その際の負担を軽減するために「転勤に伴う一時金(支度金)」も整備しています。

沖縄県沖縄市で建設中の分譲戸建住宅

沖縄県沖縄市で建設中の分譲戸建住宅

柔軟な働き方と奨学金支援で、若手に選ばれる企業へ

――建設業界というと「休みが少ない」「柔軟な働き方が難しい」というイメージが根強いです

米山氏 そこは明確に変えていかなければならない部分でした。直近の制度では年間休日が115日で、建設業界の中では比較的多いと評価されてはいたものの、働き方改革を推進する他産業と比較すると見劣りする部分がありました。そこで、当社の事業年度に合わせて3月24日より、年間休日数を120日へと増加させました。

休日の増加と並行して、1日の総労働時間は変えずに始業・終業時間を前後させる「スライド勤務」も2025年10月から設けています。標準労働時間は「9:00〜18:00」ですが、部署や職種に応じて柔軟な働き方が認められており、現在の利用率は約20%です。これに加えて、2026年4月1日より「時間単位の年次有給休暇制度」を導入し、年5日分を上限として1時間単位での休暇取得を可能としました。スライド勤務と組み合わせることで、スケジュールのコントロールが容易になり、プライベートの有効活用に繋がると考えています。

また、有給休暇の付与タイミングも見直しました。従来は6ヶ月の試用期間明けに有休が発生していましたが、これでは入社直後に小さなお子様が熱を出して病院へ連れて行く際、有休がないため欠勤扱いになってしまうケースが出てきます。そうした不都合を解消するため、入社したタイミングで即座に5日間の有休を付与する仕組みに切り替え、2026年4月1日入社の新卒社員も同様の扱いとなります。

――2026年4月からは「奨学金返済支援制度」もスタートするそうですね。

米山氏 はい。当社は2025年4月に大学卒初任給を27万円へと引き上げましたが、同時に物価や家賃も高騰しているため、若手社員の手取り収入の感覚はあまり改善されていないのが実情です。そこで若手社員の経済的負担を直接的に軽減するため、「奨学金返済支援制度」を正式に導入しました。

当社は毎年約100名弱の新卒を採用していますが、調べてみると、コロナ禍の影響などもあり奨学金を利用している学生が想定以上に多かったのです。対象者のデータを見ると、奨学金の給付を受けている学生は約70%に上り、設計職に限れば100%、施工職も高い水準でした。返済額は平均月額1万7,000円でしたので、本制度では賞与支給のタイミングで月額換算最大2万円を支援します。支給期間は入社から5年目の3月までです。

こちらの制度は、4年前に新卒で入社した社員から2026年卒の新入社員までが対象となり、以後も継続します。同時に、全社員を対象に、現行1万5,000円の住宅手当(賃貸)も、近年の家賃高騰を踏まえて2万円に引き上げます。

2025年10月16日に開催した木造住宅の建築現場見学会(宮城県白石工業高等学校)

2025年10月16日に開催した木造住宅の建築現場見学会(宮城県白石工業高等学校)

――大学や専門学校、就活生からの反響はいかがですか。

米山氏 学校の先生方は、奨学金の返済が社会人生活における大きな負担になることをよくご存じですので、確かな手ごたえを感じています。従来は採用業務の一部をアウトソーシングしていましたが、2026年卒からはフル内製化し、2025年から私たちが直接学校訪問を行っています。リリース前から学校側から奨学金支援について尋ねられることもあり、関心の高さを実感しています。

最近の学生は、入社をゴールとするのではなく、入社後数年先の生活まで見据えて企業を選択する傾向があります。面接で「昇格は何年後ですか?」と質問されることも多くなりました。一定レベルの学生から見て、これまで当社の福利厚生は選択肢の決め手に欠ける部分があったかもしれませんが、今回の充実した制度を見て入社を検討してくれる学生は確実に増えると期待しています。

次のページ「67歳定年」が描く技術の循環

12»
  • この記事をシェアする0
  • この記事をツイートする0
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
【本音トーク】建設女子たちが語る「意外にラッキー」な建設業界の実情とは?
【本音トーク】建設女子たちが語る「意外にラッキー」な建設業界の実情とは?
建設業界は実は女性に優しい!?「ラッキー」な建設業界の実情を激白 先日、『施工の神様』に掲載して好評だった「なでしこBC連携」の記事。 今回はその「なでしこBC連携」の女性メンバーなどに、合同インタビューをしてきました。...

この記事を書いた人

長井 雄一朗
この著者の他の記事を見る
建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
【一建設】住宅の品質を支えるための「福利厚生への戦略投資」 【一建設】住宅の品質を支えるための「福利厚生への戦略投資」

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 【一建設】住宅の品質を支えるための「福利厚生への戦略投資」
  • 施工の神様
  • キャリアを考える
  • 【一建設】住宅の品質を支えるための「福利厚生への戦略投資」

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2026 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様