文系出身で副部長へ。可能性を広げる採用戦略
――さらに一歩抜け出すための次の一手はありますか?
丸山氏 次のフェーズとして見据えているのがAIの活用です。さまざまな職種でAIを活用し、生産性向上を目指す「AIプロジェクト」を立ち上げ、現在推進している段階です。まずは全社から選抜した約20名のリーダーメンバーを対象に集中的な教育を実施し、そこから各部員へ水平展開していく予定です。
2026年5月にキックオフを行い、今後半年から1年をかけて社内のAI活用を一気に推進していく計画です。
大里氏 もちろん、現場は日々さまざまな状況が発生しますし、多くの協力会社との信頼関係の上に成り立っている仕事ですので、すべてがAIに置き換わることはないと考えています。
しかし、AIを拒絶するのではなく、最新技術を一つの「武器」として積極的に活用し、人とAIが協働することで、技術者がより付加価値の高いコア業務に専念できる環境をつくっていきたいと考えています。
――こうした最先端ツールを取り入れる姿勢は、学生へのアピールにも繋がっていますか?
丸山氏 大きな効果が出ています。夏のインターンシップなどで学生を現場に受け入れていますが、建設業界に対して「アナログで大変そう」というイメージを持って来られる方はまだまだ多くいます。
しかし、社員がiPadを活用してスマートに写真管理や図面確認を行っている姿を見ると、「建設業のイメージがガラリと変わった」と驚かれることが多いです。こうしたDXの取り組みを実際に見てもらうことで、入社後のギャップが少なくなり、早期離職の防止にもつながっていると感じています。
――御社の採用選考では、「オープンポジション枠」や文系採用なども行っています。
丸山氏 当社では、あえて職種を限定しない「オープンポジション枠」を設けています。これは、応募時点で将来やりたいことが明確に決まっていない学生のための採用枠です。理系の学生であっても、施工管理や設計、営業職など、どの職種が自分に合っているのか悩んでいるケースは少なくありません。
そのような場合は、いったん職種を決めずに採用し、入社後の研修や実務を経験してもらいながら、本当にやりたい仕事を一緒に見つけ、キャリアを築いていきます。学生一人ひとりの可能性を、最初から狭めないための取組みです。
また、文系出身の方も大歓迎です。専門的な図面の読み方や建築の知識は、入社後の充実した研修プログラムと日々の現場実践(OJT)を通じて、いくらでも身に付けることができます。
何より大事なのは、何度も申し上げている「人間力」と、ものづくりに対する強い「意欲」です。
――文系出身でも、努力次第でハンデなく活躍できる環境があるのですね。
丸山氏 その通りです。実は大里も建設とは無関係の文系学部出身ですが、努力を重ねて施工管理としての経験を積み、現在は大型現場の現場所長を務めています。
さらに、2026年5月の機構改革では、40歳という若さで建築部の「副部長」に昇格しました。学部や学科に関係なく、本人の意欲や努力次第で活躍の場を広げられることを、自ら体現している一例だと思います。
埼玉県で一番「強くて良い会社」へ
――大里副部長から見て、現場所長としての建設業の「やりがい」とは何でしょうか。
大里氏 自分が計画し、考えたものが目の前で具体的な形になることが一番のやりがいです。工事の終盤に足場が解体され、建物に明かりがパッと灯る瞬間は、建物に「命が宿る」ような感覚があり、とても感動します。
また、お引き渡しの際にお客様から直接「ありがとう」と感謝の言葉をいただけたときは、それまでの苦労が一気に報われたような気持ちになります。現場所長として、これ以上ない喜びを感じる瞬間ですね。
――最後に今後の方向性を聞かせてください。
丸山氏 個人のお客様にとって、家を建てることは一生に一度の大きな買い物ですし、法人のお客様にとっても、工場や病院の新設は巨額の投資を伴う一世一代のプロジェクトです。当社はお客様の一生涯のパートナーとして、その大きな決断に寄り添いながら責任とやりがいを持って仕事に取り組んでいます。
お引き渡しの際に「松永建設に頼んで本当によかった」と言っていただけるような、期待を超える価値を提供すること。その「感動創造」の積み重ねこそが、無借金黒字経営に繋がっていると感じています。
大里とはちょうど同い年なのですが、これから会社の未来を担う若いメンバーや新入社員たちと肩を組み、切磋琢磨しながら、名実ともに「埼玉県で一番強くて良い会社」にしていきたいですね。
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