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藤井聡教授が語るTV番組「ももいろインフラーZ」誕生秘話

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四国の犬
公開日:2023.07.10
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©️TOKYO MX

©️TOKYO MX

目次
  1. 「ももいろインフラーZ」に賭ける藤井先生の思い
  2. インフラに一定の興味を持つ人にしか届かないジレンマ
  3. インフラについての「バラエティ番組」をつくるしかない
  4. ここ20年間でテレビ局、タレントさんとのコネクションができた
  5. ももクロさんたちの反応の良さに感銘を受けた
  6. インフラバラエティをTVとして番組成立させるには、各種の「支援」が必要
  7. 自社のPRというかたちでなく、「特別協力」というかたちで喜んで支援しますよ
  8. ももクロさんたちに、インフラのいろはを教えていく
  9. 幅広く多様な国民に見てもらうため、YouTubeでも動画配信
  10. ゼネコン21社で「ももいろインフラーZ広報協議会」を結成
  11. 各社個別の自社PRとは一線を画した、総合的な協力
  12. 民放番組にも関わらず、CMは一切流れない
  13. 協議会メンバー協力のもと、番組テーマを選定
  14. インフラ関係者の家族から高い評価
  15. ももクロメンバーに楽しく伝えることを心がけている
  16. インフラ理解をさらに深める番組づくりを進めていきたい

「ももいろインフラーZ」に賭ける藤井先生の思い

先日、YouTubeで「ももいろインフラーZ」なる動画を視聴する機会があった。この番組には、これまでに何度となく施工の神様記事上にご登場いただいている京都大学の藤井聡教授の姿があった。

動画を見ながら、以前藤井先生に取材した際、「なんで土木のTV番組があらへんねん!?」的な発言をしていたことを思い出した。「藤井先生の積年の願いがやっと叶ったんだな」と思った。

そう言えば、藤井先生にはしばらく取材していないし、この際、この番組をテーマに取材しようと考えた。ということで、「ももいろインフラーZ」に賭ける藤井先生の思いについて、制作秘話を含め、直撃してみた。

「ももいろインフラーZ」の番組HP

インフラに一定の興味を持つ人にしか届かないジレンマ

――この番組はどういう経緯で始まったのでしょうか。

藤井先生 私は、ダムや道路、港湾などのバッシングが激しくなった1990年代後半から、土木についての適正な認識を国民全体に広めるべきであると考え、社会心理学の研究をはじめ、様々な世論についての研究と実践を進めてまいりました。

そんな中で様々なアプローチ、たとえば、新書の出版やラジオやテレビ番組で、インフラを一部取り上げるアプローチ、あるいは、「国土強靱化」といったキャッチコピーに基づく中央政府を活用した政策展開などを試してまいりました。

しかし、それだけではなかなか幅広い国民にインフラの必要性、重要性の認識が広がっていかないということを認識していました。新書の出版ではインフラや政治に一定の興味を持つ人にしか届かない、国土強靱化といった官邸主導の政策展開を通して人々にインフラを伝えるにしても同様に、政治に一定の興味を持つ人にしか届かないからです。

インフラについての「バラエティ番組」をつくるしかない

藤井先生 一方で、ラジオやテレビの番組で取り上げようにも、インフラはどうしても「地味」なものなので、あまりそればかり取り上げていると、番組そのものの視聴率が下がってしまうという問題があり、地震や洪水などの大きな問題が起こったときや大災害の周年などの機会でないと、インフラが取り上げられない、という問題があるわけです。

だから、インフラだけを取り上げるテレビ番組をつくり、それを幅広くいろんな人々に見てもらう、つまり、一定の視聴率を確保する方途を探らねばとずっと考えていたわけです。

取り上げるには、プロジェクトXのような堅くて面白い番組をつくる、という方法も考えられますが、それでは結局また、「新書を買うタイプ」の人の延長にしかなりませんから、抜本的な広がりは期待できないということが考えられます。

そうなれば必然的に、インフラについての「バラエティ番組」をつくるしかない、ということになるわけです。

バラエティですから、面白くなければならない。インフラになんて何の興味ももたないような普通の人々が、バラエティだから、っていうことでなんとなく見る、で、その番組を面白がる、で、それを見ているうちに、インフラについての意識がどんどん変わっていく…。そういうアプローチが絶対に必要だと考えるに至ったわけです。

ここ20年間でテレビ局、タレントさんとのコネクションができた

藤井先生 バラエティ番組をつくる上で必要なのは、一般の方々が興味を持つタレントさんが絶対に必要です。さらには、テレビ局さんが、こういう番組を放送しよう、ということに同意しなければなりません。そしてなによりも、こういう番組が必要だと考える方々の「支援」がなければ、こういう番組は成立しません。そしてもちろん、中身はガッチガチに技術的に正当なモノでなければなりません。

これらのうち、番組内容については、大学の研究者である当方がサポートすることで対応可能です。ですが、それ以外の要素を取り込むことは、われわれのような一介の土木系の大学教員にはなかなかできません。

なんと言っても、タレントさんの知り合いなんていないですし、テレビ局さんとの信頼関係もありません。そして、そんなタレントやテレビ局のコネクションもない人間には、どれだけ様々な方々に「支援」を呼びかけても、そう易々と「はい、そうですか」とご同意いただくなんていうことはできません。

したがって、過去20年以上の間、「インフラバラエティ」の構想は、いろいろと試みはしましたが実現はしなかったのです。ところが、この20年の間に、当方に様々な仲間、コネクションができてまいりました。

ももクロさんたちの反応の良さに感銘を受けた

藤井先生 まず、タレントさんについては、ももいろクローバーZさん(以下、ももクロさん)と、お仕事をする機会に恵まれました。ももクロさんの番組があるのですが、そこに「経済政策論をももクロさんに教示する」という趣旨でゲスト出演する依頼をいただいたのです。

その番組の時に、ももクロさんたちの反応の良さは、素晴らしいもので、とても難しい経済政策の話(貨幣論やマクロ経済の話)を、かみ砕いて説明すれば、スグにその話のポイントを理解し、適切なコメントを皆が口にされるのを番組収録の際に拝見し、大変に感銘を受けたのです。

インフラバラエティをTVとして番組成立させるには、各種の「支援」が必要

藤井先生 一方で、TV局さんについては、「東京ホンマもん教室」という番組をレギュラー放送しているTOKYO MX(以下、MX)さんとさまざまに意見交換するようになりました。そして、MXのスタッフとあれこれと意見交換している中で、「インフラバラエティは、TV局として成立するでしょうか?」と水を向けたところ、大いに興味関心を抱いていただきました。

そして、MXさんでインフラバラエティを成立するために必要なのは、タレントさんと、番組制作についての各種の「支援」をいただく皆さんだ、ということを確認していた次第です。

次のページももクロさんたちにインフラのいろはを教えていく

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コメント(2)

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  • - 2023/08/03 20:13

    私はももクロのファンで、毎回視聴しています。今後も楽しみです。

    返信する 通報する
  • - 2023/08/03 20:49

    (追伸)ももクロはスタジオだけでなくぜひ現場にも登場して
    インフラを通して日本を救ってほしいw

    返信する 通報する

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