下水処理施設とは、いわゆる下水処理場のことである。
汚水は、ろ過と微生物浄化の繰り返しで浄化される。汚染水はメタン等悪臭を生成する嫌気性微生物が増えた結果である。しかし地上生物で最もエネルギー効率が高いのは酸素分解であり、酸素呼吸をする生物の方がしない生物より動きが速い。
そこで空気の泡を吹き込んで、動きの遅い嫌気性微生物を動きの速い好気性微生物が捕食することで、嫌気性微生物を激減させるのが微生物浄化の仕組みである。
一方、下水処理場の消費電力の3割は空気を送り込む装置に使われる。そこで、嫌気性微生物が放つメタンを使ったバイオマス発電により電力を供給するエコ循環が活用されている。
水の処理と同様に重要なのが、汚泥処理である。汚泥もまた、嫌気性微生物が増えた結果であるため、同様の好気性微生物の捕食作用で浄化し、乾燥させて量を大幅に減らして廃棄処分する。
なお、処理後の水の産業用などの再利用率はわずか1.5%に過ぎず、ほとんどの処理水は河川に放流されている。
下水処理施設
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