3次元波動シミュレーションシステムとは、清水建設によって開発された3次元波動(音波)解析のことで、原理的には、音の伝搬に従い解析領域をシフトさせるもので、伝搬領域の解析精度を「細」、そうでない領域を「粗」とすることで、従来型に比べ、容量/処理時間の大幅削減に寄与するものである。尚、3次元波動シミュレーションシステムはスーパーコンピューターによる波動理論の簡素化という位置づけで、音源付近の地形/構造物/騒音対策(200~300m四方)の3次元モデル構築後に、騒音源の情報を入力することで、伝搬特性を反映した高精度な解析をビジュアライズすることに役立てるものである。ちなみに、騒音の伝搬解析には膨大なデータ処理が必要とされるが、パソコンによる簡易(解析)手法としては、波紋状に伝搬する音/直線的に拡散する音とに分けられ、いずれも干渉や共鳴、複雑な構造物の影響などが考慮されないデメリットが指摘されている。