土木工事の情報共有システムを使った感想
私はつい先日、この工事情報共有システムの存在を知って、さっそく使い始めたのですが、正直最初の初期登録が複雑だなと感じました。ネット上で工事の情報や書類も全て管理するため、その工事に関わる会社の情報も工事関係者の間で共有することになります。
その際、会社の情報を最初の段階で登録するのですが、会社の情報をこと細かく入力することに、私はかなりてこずりました。「正直、そこまで把握してないよ!」というのが本音でした。
また、工事情報共有システムについて、市役所の人間に質問してみても「使い方がよく分からない」という役人がほとんど。工事情報共有システムの存在感のなさと、まだ導入が進んでいない大きな要因は、役所でも使い方を完璧に熟知している人が少ない、ということにもあるのかもしれません。
土木工事の情報共有システムのメリット、デメリットは?
土木工事の情報共有システムを使う大きなメリットは、やはり、どこにいても書類の訂正から確認までを短時間で行うことが出来る点です。書類の手直しにかかる時間が圧倒的に短くなります。
また、図面などの書類の共有も可能なため、設計に変更があった場合などに変更後の図面をWeb上にアップしてもらうことで、迅速かつ具体的に変更点を確認できるということもメリットです。ただ、システムが複雑なので、多くの施工管理技士が扱えるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。
工事情報共有システムでは「書類の差し替え」が難しくなる?
そして、施工管理者の立場から一番気になるのが、今まで後から差し替えができた「書類の差し替え」が難しくなる点です。例えば、撤去作業を行うに当たって、撤去物の運搬経路図を作成し、運搬中の追跡写真を撮影して提出する書類があるのですが、移動距離が近いので別の運搬経路を経由して追跡写真を撮影したときに、従来ならば運搬経路図を訂正して差し替えることが可能でした。
しかし、この情報共有システムが導入し、ネット上で1回共有されてしまうと、検査官の方も目を通すことになります。ですから、書類の差し替えを行う際に、今までしなくてよかった確認をしなければならない可能性が出てきます。情報を工事関係者が一目瞭然で分かるようになるので、工事のつじつまが少しでも合わなければ、検査官によっては突き詰められることがないとは言えないでしょう。この点は、実際の現場を畝井する施工管理者としては頭を悩ませるかもしれません。
施工管理技士は「工事情報共有システム」に興味を持とう!
土木工事の情報共有システムについては、メリットもデメリットもありそうですが、それでも私自身、メリットのほうが圧倒的に大きいと感じています。
工事情報共有システムを使いこなせるというだけで、工事の加点項目に反映してもらえることもあるので、それだけ役所も導入に力を入れているのでしょう。
まだ工事情報共有システムが導入されているところは少ないですが、確実にこのシステムが一般化する時代が、もうそこまで来ています。導入されて焦ることのないよう、今のうちから施工管理技士の皆さんは工事情報共有システムに興味を持ち、理解していく必要があるのではないでしょうか。
使うシステムによっては、書類の差し替えは担当官の権限で差し替え出来る物もあります
実際に完成検査後に書類の訂正を監督員から頼まれ、最終決済までしてるので役所の方で差し替える
と、あちらで処理してもらった事があります