普段は見えない「屋上」で堂々と手抜き工事
修繕工事をしていると、新築工事時の手抜き工事をたまに見つける。特に屋上などで堂々と手抜きをしているのが一番目立つ。屋上を見るのは、せいぜい点検業者や管理人であるためだろう。
屋上でよく見かけるのが、本来露出部には使わないシーリング材を堂々と露出部に使っているパターンである。これはコスト削減の意味というよりも、パラペットなどでウレタン部と露出部の打ち分けが手間であった、というところが大きいのだろう。
修繕時の項目に入っていれば、何も言わず打ちかえるのだが・・・。
屋上の手抜きは廊下などでの漏水の原因となることも少なくない。室内ではないため、修繕工事が入るまで黙っていた居住者から「ずっとここから雨漏りしているんです」と廊下の天井を指差されると、思わずため息が出てしまう修繕工事業者は私だけではないはずだ。
気持ちは分かるけど・・・足りないんだよ!!
新築時の手抜き工事を指摘しつつも、正直、同情というか、新築担当者の気持ちが分からないでもないこともある。
それが「あと少し足りない」というヤツだ。足りないところはウレタンの膜圧を確保するためのシートであったり、サッシ廻りのシーリングであったり、ちょっとしたところなのだが、少しの「足りない」で漏水などになってしまっている場合は「気持ちは分かる」と、心の中で名も知らぬ「新築時の作業員」の肩をポンポンと叩く。
シートは立ち上がりから何センチ、ここのシーリングはここまで入れなければならない、など建築工事には様々な規定が存在する。正直ここまでしなくても大体は問題ないだろう、と思う規定もあるが、その「大体」に入らないイレギュラーなことが起こってしまった場合の基準となるのが、この「何センチ」なのだ。
この「何センチ」がトラブルが発生した場合、「新築時、たまたまここで区切りがよかったのだろうな」と想像しながら、居住者に説明することも多い。ただ、居住者にとっては「ルールisルール」なのだ。手抜き工事はいけない!